キーミノブ

キーミノブ

1987年5月30日に北海道新冠町で誕生した日本の競走馬。父はカネミノブ、母はキーケルナー、母の父はイエローゴッドという血統背景を持つ牡馬として生まれました。生産者は高瀬すが子氏です。

誕生からデビューまで

母キーケルナーは競走馬としては4戦未勝利に終わった後、繁殖牝馬となりました。初仔に続き、繁殖入り2年目の交配相手として選ばれたのが、かつて天皇賞（秋）などを制したカネミノブです。当時のカネミノブは種牡馬としての人気が下降気味でしたが、毎日杯勝ち馬ニューファンファンなどの活躍もあり、一定数の繁殖牝馬を集めていました。キーミノブは母にとって2番目の産駒として誕生。生産者の高瀬すが子氏は、1975年に夫を亡くして以降、その名義で生産牧場を営んでおり、キーミノブは夫が願っていた「生産馬での重賞勝利」を後に実現することになります。幼少期は病気知らずで非常に扱いやすい馬だったと振り返られています。1989年秋、栗東トレーニングセンターの日迫良一厩舎に入厩しましたが、当初は骨格が未熟で十分な調教量をこなすのに時間を要しました。

競走馬時代

JRA時代

1990年1月5日、京都競馬場のダート1800m新馬戦でデビュー。当初は脚部不安（ソエ）もあり、5着、2着と勝ちきれませんでしたが、3戦目の小倉競馬場での未勝利戦（芝）で初勝利を挙げると、続く萌黄賞（500万円以下）も制し連勝としました。ソエが完治した状態で迎えた3月4日のペガサスステークス（GIII）では、2番人気で重賞初挑戦。中団から進み、直線で抜け出すと、追いすがるナリタハヤブサを半馬身差抑えて優勝。生産者の高瀬氏にとっては、生産馬による念願のJRA重賞初制覇となりました。この勝利は、高瀬氏の還暦祝いパーティーの翌日に重なった、エピソードも残されています。

重賞初制覇の勢いに乗り、3月25日の毎日杯（GIII）に出走。ここでも3番人気ながら中団から直線で馬場の外へ持ち出すと、後続に2馬身差をつける快勝。重賞2連勝、通算4連勝を達成し、春のクラシック戦線において有力候補の一頭として浮上しました。しかし、その後に参戦した皐月賞、東京優駿（日本ダービー）では期待に応える走りができず、長期休養に入ります。

約1年後の1991年中山記念で復帰を果たしましたが、かつての輝きは見られず、1993年春までに10戦全てで敗退。JRAでの競走馬登録を抹消することとなりました。

地方競馬時代

JRA登録抹消後はホッカイドウ競馬へ移籍し、帯広競馬場の塚本哲雄厩舎に所属。しかし、移籍初戦、2戦目といずれも10着と大敗し、北海道での滞在は短期間に終わりました。続いて佐賀競馬へ再移籍し、津野正浬厩舎に転厩。環境の変化が功を奏したのか、佐賀では安定した走りを見せるようになり、1995年3月までに17戦に出走して7勝を挙げる活躍を見せました。佐賀での詳細な成績は記録に残されており、地方競馬での競走生活を最後まで走り抜きました。

主な勝ち鞍

1990年 ペガサスステークス (GIII)
1990年 毎日杯 (GIII)

キーミノブは、JRAで重賞連勝を飾った輝かしい時期と、その後の苦難、そして地方競馬での再起という、波乱に満ちた競走生活を送った一頭です。生産者の夢を叶えた孝行馬として、その名が刻まれています。

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競走成績や血統表等の詳細については、外部データベースを参照してください。

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