クベタ・ペシュケ

クベタ・ペシュケ（Květa Peschke、旧姓: フルドリチコバ、Květoslava Hrdličková、1975年7月9日 - ）は、チェコ・ビーロヴェツ出身の女子プロテニス選手です。ダブルスでの実績で広く知られ、2011年のウィンブルドン選手権女子ダブルスで優勝を果たしました。また、グランドスラムでは、2010年全仏オープン女子ダブルス、2006年、2010年、2012年全米オープン混合ダブルスで準優勝を記録しています。自己最高ランキングはシングルス26位、ダブルス1位。WTAツアーではシングルスで1勝、ダブルスで32勝を挙げています。

身長165cm、体重58kg。右利きで、バックハンド・ストロークは両手打ちです。

経歴

1991年に選手としてのキャリアをスタートさせましたが、WTAツアー下部組織の大会で長期間の下積み生活を送りました。1998年4月、クロアチアのマカルスカ大会で、世界ランキング140位の予選勝者としてWTAツアー初優勝を果たします。この優勝を機に世界ランキングを上げ、同年の全仏オープンでグランドスラムに初出場しました。同年8月には、ポーランド・ソポト大会でダブルス初優勝を飾ります。WTAツアーでのシングルス優勝はマカルスカ大会の1勝のみですが、その後はダブルスでその才能を開花させていきました。

2000年には、全豪オープンと全仏オープンの2大会連続で3回戦に進出し、シドニー五輪にチェコ代表として出場しましたが、シングルス・ダブルスともに1回戦で敗退しました。この頃、世界ランキングは33位まで上昇しました。

2002年の全豪オープンでは、ダヤ・ベダノワとのペアで、第1シードのリサ・レイモンド&レネ・スタブス組との準々決勝に進出。しかしその後、左膝を痛め、2002年12月と2003年3月に2度の手術を受けました。手術によるブランク期間中の2003年5月5日、コーチのトルステン・ペシュケと結婚。2004年5月、ポーランド・ワルシャワの「J&Sカップ」で復帰し、以降は夫の姓である「ペシュケ」を名乗るようになりました。

2度の左膝手術を乗り越えたペシュケは、2005年ウィンブルドンで初のグランドスラムシングルス4回戦進出を果たします。この大会では、2回戦でベラ・ズボナレワ、3回戦でコンチタ・マルティネスを破って勝ち進みましたが、4回戦でナディア・ペトロワに敗れました。2006年全米オープンでは、同じチェコのマルティン・ダムと混合ダブルスのペアを組み、初のグランドスラム決勝に進出。しかし、決勝でボブ・ブライアン&マルチナ・ナブラチロワ組に敗れました。

2007年4月以降は、レネ・スタブス（オーストラリア）とペアを組んで多くのトーナメントに出場し、同ペアで年間3勝を挙げました。2007年のグランドスラムでは、ウィンブルドンでベスト8、全米オープンでベスト4を記録。2008年のWTAツアー選手権ダブルスでは、第1シードのリーゼル・フーバー&カーラ・ブラック組に敗れ、準優勝となりました。

2007年全仏オープン2回戦進出を最後に、WTAツアーのシングルスから撤退し、ダブルスに専念するようになりました。

2010年からは、カタリナ・スレボトニク（スロベニア）とペアを組み、全仏オープンで初のグランドスラム女子ダブルス決勝に進出。決勝ではビーナスとセリーナのウィリアムズ姉妹組に敗れました。全米オープンでは、アイサム＝ウル＝ハク・クレシ（パキスタン）と組んだ混合ダブルスで2度目の準優勝となりました。

2011年ウィンブルドン選手権では、カタリナ・スレボトニクとのペアでグランドスラム女子ダブルス2度目の決勝に進出。決勝でザビーネ・リシキ&サマンサ・ストーサー組を破り、グランドスラム初タイトルを獲得しました。この大会では女子シングルスでペトラ・クビトバ、混合ダブルスでイベタ・ベネソバも優勝し、女子の全種目でチェコ人選手が優勝を飾りました。大会後のランキングで、ペシュケはスレボトニクと並んで初のダブルスランキング1位となりました。

2012年全米オープンでは、混合ダブルスでマルチン・マトコフスキとペアを組み決勝に進出しましたが、エカテリーナ・マカロワ&ブルーノ・ソアレス組に敗れ、3度目の準優勝となりました。

長年のキャリアを通じて、クベタ・ペシュケはダブルスプレーヤーとして輝かしい実績を残し、チェコテニス界に貢献しました。

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