クリノハナ
クリノハナの紹介
クリノハナは、日本の競走馬および種牡馬として知られる存在です。特に、1952年に皐月賞と東京優駿（日本ダービー）の二冠を達成した実績は、彼を競馬史に名を刻む偉大な馬として位置づけています。これに加えて、種牡馬としても多くの優秀な子孫を残し、競馬界に貢献しました。
経歴
競走馬時代
クリノハナは、栗林友二によって生産され、同氏の所有馬として注目を集めました。3歳時には、関東の有名な尾形藤吉厩舎に入厩しましたが、デビューは遅く、初めてのレースは1952年3月に行われました。初戦は2番人気として挑戦し、見事に優勝。その後、1ヶ月あまりでラッキーにも3連勝を果たし、4月27日には皐月賞に出走しました。ここでは4番人気に支持され、後方待機からの鮮やかな追い込みによって、ライバルの牝馬・タカハタをクビ差で退けて優勝を飾りました。
皐月賞の勝利は彼にとっての重賞初制覇であり、続くオープン戦では初めての敗北を喫しますが、これは東京優駿に向けての新たな戦変策を試みた結果だと言われています。東京優駿のレースでは、31頭の出走馬の中で3番人気に選ばれ、八木沢勝美騎手とのコンビで先行策を貫き通しました。
レースのスタート直後、クリノハナは4番手に位置し、直線では先頭に立ちました。タカハタとの激しい競り合いが繰り広げられる中、クリノハナが最後の瞬間にクビ差で勝利し、彼は史上5頭目となる春のクラシック二冠を達成しました。この快挙は、デビュー後48日目の皐月賞勝利、77日目のダービー制覇という、戦後最短勝利記録でもありました。
しかし、夏の休養後、秋シーズンの初戦ではタカハタに大差をつけられて敗れ、その後は勝ち星を挙げることなく競走生活を送ります。この敗北の背景には、クリノハナの強みである競り合いの戦術を相手チームが見抜き、一気に交わす戦法を取ったことがあったと言われています。結局、菊花賞を目指し話が進んでいたものの、脚の故障により出走を断念し、最終的に馬主である栗林が引退を決定しました。
種牡馬時代
競走馬引退後は、軽種馬協会に購入され国有種牡馬となります。しかし、種牡馬入り後に腰ふらという病気を抱えるようになり、その影響で初年度は繁殖牝馬が集まらないという困難に直面しました。この状況に不満を抱いた栗林が再度買い戻し、故郷の大東牧場に移し、繋養することになりました。
その後、2年目の産駒から天皇賞（春）を制したクリペロが誕生し、タカマガハラ、クリヒデとともに計3頭の天皇賞優勝馬を輩出しました。これによって、クリノハナは長距離に強い内国産有力種牡馬として名を馳せました。1965年秋、北海道室蘭市のユートピア牧場で敗血症により命を落としました。
競走成績と主な産駒
クリノハナの競走成績は非常に輝かしいものであり、主な産駒には以下のような馬たちがいます：
これらの成功により、クリノハナは日本の競馬界に多大な影響を与え、2000年には「20世紀のベストホース100」にも選出されるなど、その偉業は今なお語り継がれています。
血統
クリノハナの父は当時の日本競馬を代表する種牡馬であり、母も競走馬として10勝を挙げた実績を持っています。その血統は、確かな競走能力を証明しており、4代孫にはGI競走で3勝を挙げたライスシャワーが含まれています。
日本競馬の歴史において、クリノハナは忘れることのできない存在であり、その足跡は今もなお多くのファンに愛されています。
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