クリヴァク3型国境警備艦

クリヴァク3型国境警備艦概要



クリヴァク3型国境警備艦は、ソ連国家保安委員会(KGB)の要求に応じて設計された大型艦艇です。その設計は、クリヴァク型フリゲートを基にしており、NATOにおけるコードネームはクリヴァク型として知られています。一方、ソ連では1135.1型国境警備艦「ネレーイ」という計画名で呼ばれていました。この艦艇の設計と建造は1970年代末頃に始まり、主にソ連の排他的経済水域を守るために配備されました。

計画と設計



1970年代末、ソ連は200海里排他的経済水域の設定により、極東北方海域の管理が求められました。KGBからの要請を受け、セーヴェルノエ計画設計局はクリヴァク型フリゲートをもとに新たな国境警備艦の設計に着手しました。この設計は、初めはN・P・ソーボレフを主導として行われ、1980年代からA・K・シュヌィロフが中心となりました。

最終的に完成した「ネレーイ」型は、その武装や性能が従来の警備艦艇を超え、アメリカ海軍の第一線フリゲートとも肩を並べるものとなりました。その強力さから、「世界最強の国境警備艦」と称されることもありました。

建造と運用



「ネレーイ」型は全艦、ウクライナ・ソヴィエト社会主義共和国のケルチに所在するブートマ記念ザリーフ造船所にて建造されました。最初の艦メンジンスキーは1980年にKGB海上国境警備隊に配属され、その後1983年に竣工しました。1990年までに7隻が建造され、これらの艦艇は主に国境警備や排他的経済水域の監視任務を担当しました。特に、日本海やクリル諸島の漁業監視が主要な任務の一つとされました。

ウクライナの独立後、建造中の艦艇の運命が大きく変わりました。独立ウクライナの名のもと、艦艇は新たな名前を与えられ、海軍へと発展していきました。しかし、一部の艦艇は保管状態にあり、維持が難しい状況となっていました。

現状



ソ連崩壊後、残った「ネレーイ」型艦艇はロシアの海上国境警備隊に引き継がれましたが、経済状況の悪化の影響でその活動は制限され、艦艇の数も減少しました。現在、ロシアで稼働中の艦艇は限られており、日本からの密漁船の監視にあたっています。

一方、ウクライナのヘーチマン・サハイダーチヌイは同国海軍の象徴的な存在となり、積極的に維持されていますが、2022年ウクライナ侵攻において自沈する事態にまで至りました。

技術と構造



「ネレーイ」型の艦体は、先行する「ブレヴェースニク」型と同様の基本構造を持ちながら、武装や電子機器が大きく改良されています。30ノット以上の速力を誇り、長時間の航行が可能な設計がなされています。

武装面では、主砲を艦首に移設し、ヘリコプターの格納庫を新設するなど、多様な任務に対応できる柔軟性を持っています。これにより、防空能力や対潜能力が強化されています。

総括



クリヴァク3型国境警備艦は、その設計と性能において uniqueness を持ち、当時の海軍艦艇に多大な影響を与えました。今でも残る艦艇は、冷戦時代の名残を色濃く残し、その運用や運命は常に関心を集めています。

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