クロード・ネジャール

クロード・ネジャール：フランス映画界に貢献したプロデューサー

クロード・ネジャール (1940年-2003年) は、20世紀後半のフランス映画界において重要な役割を果たした映画プロデューサーです。1965年、まだ25歳という若さで、ルネ・アリオ監督の長編デビュー作『老婆らしからぬ老婆』のプロデュースで映画界に参入しました。この作品は、ジャン＝リュック・ゴダールが『カイエ・デュ・シネマ』誌のベストテンに選出するなど、高い評価を受け、フランス批評家協会最優秀作品賞、さらには全米映画批評家協会最優秀女優賞を受賞するなど、大きな成功を収めました。ネジャール自身も、アリオ監督と共にドキュメンタリーテレビ映画シリーズ『われらの時代のシネアストたち』の一篇『それでも彼らはカメラを回している』に出演するなど、多方面で活躍を見せました。

1969年からは、フランスの巨匠、ルイ・マル監督の作品を数多くプロデュース。マル監督作品への貢献は、ネジャールがフランス映画史において重要な役割を果たしたことを示すものです。また、アヴァンギャルド集団として知られるジガ・ヴェルトフ集団の作品にも関わり、『プラウダ (真実)』のプロデュース、『ウラジミールとローザ』への出演など、実験的な作品にも積極的に関わっていました。さらに、1979年には、音楽家ピエール・バルー監督の『離婚』にも出演しています。このように、ネジャールはプロデューサーとしての活動にとどまらず、映画作品に多様な形で関与していたことがわかります。

ネジャールの幅広い活動は、彼の高い評価と成功に繋がりました。1992年には、マイケル・ルボ監督の『ヴィンセントと私』がデイタイム・エミー賞子ども向け番組特別賞を受賞。この功績は、ネジャールがプロデューサーとしてだけでなく、映画界全体に貢献してきたことを示すものです。ネジャールは、数々の名作の制作に携わり、フランス映画史に大きな足跡を残しました。彼の作品リストは、フランス映画黄金時代の多様性と創造性を物語っています。

主要なフィルモグラフィ

ネジャールは数多くの映画作品のプロデュースに携わってきました。特にルイ・マル監督作品やジガ・ヴェルトフ集団作品への関与は、彼のキャリアにおいて重要な位置を占めています。以下に、主なフィルモグラフィを挙げます。

プロデューサー作品:
『老婆らしからぬ老婆』(1965年) - ルネ・アリオ監督
『現像液』(1968年) - フィリップ・ガレル監督
『ピエールとポール』(1969年) - ルネ・アリオ監督
『インド幻想』(1969年) - ルイ・マル監督(アソシエイト・プロデューサー)
『プラウダ (真実)』(1969/1970年) - ジガ・ヴェルトフ集団
『好奇心』(1971年) - ルイ・マル監督 (製作・脚本)
『フランス人達よ、あなた達は知らなかった』(1973年) - アンドレ・アリス/アラン・ド・セドゥイ監督
『ルシアンの青春』(1973/1974年) - ルイ・マル監督
『ラ・セシリア』(1975年) - ジャン＝ルイ・コモリ監督
『ブラック・ムーン』(1975年) - ルイ・マル監督
『ベンとベネディクト』(1977年) - ポーラ・デルソル監督
『マレヴィル』(1981年) - クリスチャン・ド・シャロンジュ監督
『人類創世』(1981年) - ジャン＝ジャック・アノー監督(アソシエイト・プロデューサー)
『死体を積んで』(1982年) - ピーター・デル・モンテ監督
『黒いリスト』(1984年) - アラン・ボノ監督
『ネモの不思議な旅/異次元惑星のプリンセスを救え!!』(1984年) - アルノー・セリニャック監督
『汚れた血』(1986年) - レオス・カラックス監督 (協力)
『ガレルヌの風』(1989年) - ベルナール・ファーヴル監督 (プロデューサー・脚本)
『ヴィンセントと私』(1990年) - マイケル・ルボ監督
『ベル・エポック』(1995年) - ギャヴィン・ミラー監督 (テレビ映画ミニシリーズ)
『信じるべきもの』(1998年) - ジョン・ハフ監督 (アソシエイト・プロデューサー)

出演作品:
『それでも彼らはカメラを回している』(1966年)
『ウラジミールとローザ』(1970年) - デイヴ・デリンジャー役
『離婚』(1979年) - ミシェル先生役

ネジャールは、2003年にパリで死去しました。彼の功績は、フランス映画史に永遠に刻まれるでしょう。

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