グエン・サード・ラインフォード

グエン・サード・ラインフォード

『∀ガンダム』に登場するグエン・サード・ラインフォードは、イングレッサを治める名家ラインフォード家の御曹司です。19歳という若さでありながら、イングレッサ・ミリシャの中心人物として、地球の産業革命を主導しようとします。その卓越した技術と政治的手腕は、年齢からは想像できないほどですが、目的のためには手段を選ばない冷酷さも持ち合わせています。

物語開始以前からムーンレィスと接触しており、開戦後はミリシャを率いて月との交渉を進めます。しかし、コレン・ナンダーの襲撃により首都ノックスが崩壊し、一時的に失脚。その後、婚約者リリ・ボルジャーノらの助けを得て復権を果たします。

ウィルゲムで月へ向かったグエンは、ディアナ・ソレルが起動させた黒歴史を目撃し、野望をさらに燃え上がらせます。黒歴史の資料を盗み出し、ギム・ギンガナムと手を組んで、地球の産業革命と支配を目論みます。ディアナ・地球連合軍とギンガナム軍の最終決戦では傍観者の立場を取り、モビルスーツ工場へ向かおうとしますが、ギンガナムの怒りを買い、ターンXの砲撃を受けます。ウィルゲムは飛行不能となり、部下にも見放され、全てを失います。

戦後、不時着したウィルゲム付近でメリーベル・ガジットを救出し、共にガリア大陸へ向かったとされていますが、その後の消息は不明です。その際、口ひげを生やしていたという記録が残っています。

また、ロラン・セアックに異常な執着を見せ、女装時の偽名である「ローラ」と呼び続け、自分の側に置こうとしました。この理由は、番組企画時の構成案や小説版で詳しく語られています。

メディアミックスでの描かれ方

小説: 佐藤茂の小説版では、サイコガンダム「ブラックドール」を操縦します。この設定は、ゲーム『スーパーロボット大戦α外伝』や『SDガンダム GGENERATION WARS』にも反映されています。
小説: 福井晴敏の小説『月に繭 地には果実』では、アグリッパ・メンテナーを懐柔し、月の技術で世界の覇者になろうと画策。ディアナの説得に応じず、冬眠中のムーンレィスもろとも「冬の宮殿」を焼き払い、ディアナに射殺されます。
* コミカライズ: 曽我篤士のコミカライズ版では、初代ウィル・ゲイムの子孫とされ、ディアナに極楽鳥の羽を渡します。発掘したウィルゲムで月へ向かうも、ギンガナムとの戦闘でディアナに加勢。アグリッパの艦隊を核ミサイルで消滅させ、ギンガナムと手を組みます。地球降下直前、ハリー・オードとロランの奇襲を受け重傷を負い、ウィルゲムに一人残ります。その後、ウィルゲムに乗り込んだメリーベルと共に宇宙を漂流することになります。

グエン・サード・ラインフォードは、その複雑な性格と野心的な行動によって、『∀ガンダム』の世界に深い印象を残した人物と言えるでしょう。

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