グスタフ・アドルフ・ツー・ホーエンローエ＝シリングスフュルスト

グスタフ・アドルフ・プリンツ・ツー・ホーエンローエ＝シリングスフュルスト

グスタフ・アドルフ・プリンツ・ツー・ホーエンローエ＝シリングスフュルスト（1823年2月26日 - 1896年10月30日）は、19世紀のドイツにおいて重要な役割を果たしたカトリック教会の聖職者であり、枢機卿でした。

生い立ちと家族

ホーエンローエ＝シリングスフュルスト侯フランツ・ヨーゼフを父に、ホーエンローエ＝ランゲンブルク侯カール・ルートヴィヒの娘コンスタンツェを母に、彼は四男として生を受けました。ホーエンローエ家は、陪臣化されたシュタンデスヘル家門として、数々の政治家を輩出しています。彼の兄弟には、ラティボル公爵ヴィクトル1世、バイエルン王国首相・ドイツ帝国宰相を務めたホーエンローエ＝シリングスフュルスト侯クロートヴィヒ、そしてオーストリア宮内大臣を務めたコンスタンティンがいます。

聖職者としてのキャリア

ブレスラウとミュンヘンで神学を修めた後、1846年にローマの教皇庁立教会アカデミーに進みました。1849年に司祭に叙階され、教皇庁の施物分配室長を務めます。1857年にはエデッサの名義司教に任命され、1866年6月22日にはサン・カリスト教会の司祭枢機卿に就任しました。

教皇不可謬説への反対

グスタフ・アドルフは、兄クロートヴィヒと同様に、イエズス会が主張する教皇不可謬説に反対の立場を取りました。第1バチカン公会議の後、ミュンヘン大学の神学教授ヨハンネス・フリードリヒの勧めに従い、復古カトリック教会の神学協議会に参加。その後、ローマを離れ、実家のシリングスフュルスト城へと戻りました。

ドイツ帝国政府との関係

バチカン公会議の結果自体には反対しなかったため、ドイツ帝国政府は彼を教皇庁との調停役として期待していました。宰相オットー・フォン・ビスマルクは教皇ピウス9世に対し、グスタフ・アドルフをドイツ帝国政府への教皇使節に任命するよう要請しましたが、教皇はこの要請を拒否。結果として、ドイツへの使節は空席となり、1874年には使節職自体が廃止される事態となりました。

ローマへの帰還と晩年

1876年2月、グスタフ・アドルフはローマに戻りましたが、復権には次の教皇レオ13世の選出を待つ必要がありました。1879年から1884年までアルバーノの司教を務め、1878年からはサンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂の首席司祭として、その生涯を終えるまで奉仕しました。

次兄クロートヴィヒの回想録によると、グスタフ・アドルフは食事の際に、イエズス会士がワインに毒を盛ることを恐れ、ミサ用のワインを試飲する時以外はワインを口にしなかったと伝えられています。

参考文献

* Friedrich Wilhelm Bautz: グスタフ・アドルフ・ツー・ホーエンローエ＝シリングスフュルスト. In: Biographisch-Bibliographisches Kirchenlexikon (BBKL). Band 2, Bautz, Hamm 1990, ISBN 3-88309-032-8, Sp. 992–993.

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