グラブ (野球)

グラブ（glove）

グラブは、野球やソフトボールの試合でボールを捕球するために使用される道具で、主に選手が利き腕とは逆の手にはめて用います。通常、捕手や一塁手はミットと呼ばれる特別な道具を使いますが、一部の一塁手はグラブを選ぶこともあります。この道具はグローブとも呼ばれることがあります。プロの野球選手は、特定のメーカーと契約し、自身の好みに合わせて調整されたグラブを使用しています。

素材や製法

多くのグラブやミットは、高品質な皮革から製作されています。競技用のものには主に天然皮革が使われ、遊戯用のグラブは合成皮革または人工皮革が一般的です。使用される皮革は主に牛革であり、アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリアから調達されたものが厚みや脂肪の含有量から、グラブには最適だとされます。和牛は霜降り肉で知られるものの、加工時に脂肪が取り除かれるため、グラブ製作には適しません。さらに、裏革には鹿革が使用される場合もあります。

グラブの製作は手作業であり、熟練した職人が革を選び、必要なパーツに切り分けてから縫製を行います。革を縫い合わせてからそれを反転させ、指を入れるスペースが作られます。また、親指と小指の部分にフェルトが入れられるなど、細かな工夫が施されています。

グラブの素材は、硬式と軟式で異なり、硬式用の方が耐久性が高いのです。準硬式野球では、硬式用グラブが使われます。

ウェブの役割

グラブの重要な特徴の一つは、親指と人差し指の間に設けられた「ウェブ」と呼ばれる部分です。ウェブは、ボールを片手で捕球するために1920年代に考案され、その形が確立されたのは1950年頃です。それまで選手たちは両手を使って捕球していたため、この技術革新は大きな変化をもたらしました。

使用する際の専門用語

• - 型付け: グラブを自身の手に馴染ませるための手入れのことを指します。
• - スポット（ポケット）: 捕球しやすい位置で、型付けによって形成されます。
• - 土手: 手首周辺の硬い部分を示し、ここにボールが当たると捕球が難しくなる場合があります。

ポジションごとの特性

選手の役割によって使用されるグラブのデザインには違いがあります。例えば、投手用ではボールの握りを隠すため大きめで、ポケットが深いものが用いられます。一方、捕手用は大きなキャッチャーミットを使用し、捕球面が広くなっています。二塁手や遊撃手には軽量で小型のグラブが要求され、三塁手用のものは強烈な打球に対応するため、小さくなく、しっかりとした作りになっています。

規則について

グラブのサイズや色に関しては規制があり、特に日本の野球規則では詳細な規制があります。投手用のグラブは白系統の色を使用できないほか、全体の色としても一色でなければならないとされています。このような細かなルールがあり、守備側の選手が不正な手段を講じた場合にはペナルティが科されます。

まとめ

グラブは野球やソフトボールのプレーにおいて重要な役割を果たしており、その設計や素材選びは選手の性能に直接影響を与えます。様々なポジションやプレースタイルに合わせた多様なグラブが存在するため、選手は自分に最適な道具を選ぶことが重要です。

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