グランドチャンピオン戦 (囲碁)

グランドチャンピオン戦とは

グランドチャンピオン戦は、日本における囲碁の棋戦の一つです。この棋戦の最大の特徴は、前年度に各棋戦で優勝した棋士たちが集い、文字通り「グランドチャンピオン」の座を争うという点にあります。日本棋院創立90周年を記念する事業の一環として、2014年に「棋戦優勝者選手権戦」という名称でスタートしました。その後、第4回からは「グランドチャンピオン戦」と名称を改め、内容も一部変更されています。

優勝者には、内閣総理大臣杯・賞、文部科学大臣楯・賞という、非常に名誉ある賞が授与されることからも、この棋戦の重要性がうかがえます。

主催は日本棋院と関西棋院。

方式の変遷

グランドチャンピオン戦は、開催回によって方式にいくつかの変更点が見られます。

第1回から第3回

「棋戦優勝者選手権戦」として開催されていたこの時期は、開催前年の12月31日時点でタイトルを保持している棋士と、ファン投票によって選出された棋士1名がトーナメント方式で対戦しました。出場棋士は、保持しているタイトルの種類や数に応じてシード権が与えられ、有利な状況で対局に臨むことができました。例えば、2013年に六冠を保持していた井山裕太棋士は、第1回大会で準決勝からの出場となりました。

対局は、1回戦および2回戦はネット対局で行われ、決勝戦は日本棋院東京本院で公開対局として実施されました。コミは6目半。持ち時間はなく、1手30秒の秒読みと、1分の考慮時間が10回与えられました。

対象となったタイトルは、棋聖、名人、本因坊、王座、天元、碁聖、十段などの主要な棋戦に加え、阿含桐山杯、新人王、NHK杯、竜星、大和証券杯、関西棋院第一位、囲碁マスターズカップ、グロービス杯、王冠、若鯉戦、おかげ杯、中野杯U20選手権、ゆうちょ杯、女流本因坊、女流名人、女流棋聖、会津中央病院杯など、多岐にわたりました。

ファン投票は、ハガキまたはWebを通じて行われ、棋士一人につき1票が投じられました。過去には、佐田篤史棋士、伊田篤史棋士、熊本秀生棋士がファン投票によって選出されています。

第4回以降

内閣府と文部科学省が後援に加わったことで、棋戦名が「グランドチャンピオン戦」に変更されました。ファン投票枠は廃止され、タイトル保持者と、タイトル保持者が重複する場合は前年の賞金ランキング上位者が出場する方式となりました。シード権の付与については、第3回までと同様に、保持タイトルの種類と数によって決定されました。1回戦および2回戦はネット対局となる場合もありました。コミは6目半。持ち時間はなく、1手30秒の秒読みと、1分の考慮時間が10回与えられました。

対象タイトルは、おおむね第3回までと同様でしたが、SGW杯中庸、扇興杯が加わるなどの変更がありました。

歴代優勝者

歴代の優勝者については、日本棋院の公式サイトなどで確認できます。

現状

グランドチャンピオン戦は、2019年の第6回を最後に開催されていません。しかし、日本棋院から棋戦終了の公式な発表はなされていないため、今後の動向が注目されます。

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