佐田篤史

佐田篤史

佐田篤史（さだ あつし、1995年12月24日 - ）は、関西棋院に所属する囲碁棋士で、七段の段位を持つ。岡山県岡山市出身で、角慎介六段門下。

経歴

4歳の頃、父と祖父の影響で囲碁を始める。その後、角慎介の囲碁教室に入門し、12歳で関西棋院の院生となる。プロ棋士を目指すようになった時期は明確には覚えていないものの、早い段階から自然とプロを意識していたという。中学校卒業後は高校へは進学せず、単身で大阪府へ移り住み、囲碁の研鑽に励んだ。

2012年1月、16歳という若さで入段を果たす。

2013年には、第4回アジアインドア・マーシャルアーツゲームズの囲碁男子団体戦に、平田智也、本木克弥、鶴田和志と共に日本代表として出場し、3位入賞。同年、関西棋院賞新人賞を受賞。

2014年、第1回棋戦優勝者選手権戦にファン投票枠で本戦出場（1回戦で村川大介阿含・桐山杯に敗退）。第40期碁聖戦でも本戦に進出したが、1回戦で趙治勲九段に敗れる。同年、連勝賞・永井賞を受賞。

2015年、第2回グロービス杯世界[[囲碁U-20]]で本戦に進出しベスト8。第41期碁聖戦では本戦準決勝まで勝ち進んだものの、2016年3月に山下敬吾九段に敗れる。

2017年、第42期棋聖戦でCリーグ入りを果たし、3勝2敗で残留を果たす。

2018年、非公式若手棋戦である第3回谷口杯で優勝。しかし、第43期棋聖戦Cリーグでは2勝3敗となり降格。

2019年、第45期天元戦で本戦に進出。志田達哉七段、本木克弥八段、張栩名人、河野臨九段といった強豪を次々と破り、挑戦者決定戦まで進出する快進撃を見せた。挑戦者決定戦では許家元八段に敗れたものの、挑戦手合出場まであと一歩というところまで迫った。これらの活躍が評価され、利仙賞を受賞。

2020年、第76期本因坊戦最終予選を制し、自身初のリーグ入りを達成。8月31日の最終予選決勝は余正麒八段との関西棋院対決となった。このリーグ入りにより、9月1日付で七段に飛付昇段。また、第45期新人王戦では決勝戦に進出したが、10月26日、関航太郎三段に1勝2敗で敗れ、初タイトル獲得はならなかった。

2021年、第76期本因坊戦リーグは2勝5敗で陥落。しかし、第77期最終予選を制し、再びリーグに復帰。さらに、第65期関西棋院第一位決定戦では、5連覇を狙う余正麒第一位に挑戦したが、9月30日に0勝2敗で敗れ、タイトル獲得はならなかった。

2022年、第61期十段戦で挑戦者決定戦まで進出。自身二度目となる七大タイトルの挑戦者決定戦だったが、余正麒八段に敗れ、初の挑戦手合進出はならなかった。第77期本因坊戦リーグは2勝5敗で陥落したが、一方で第48期名人戦では最終予選を制しリーグ入り。第70期王座戦では本戦ベスト8。2022年アジア競技大会代表決定戦で伊田篤史を破り代表入り。

人物

囲碁の勉強法としては、棋士仲間との対局に多くの時間を費やしているが、囲碁AIも積極的に取り入れている。芝野虎丸の最年少名人や上野愛咲美の竜星戦準優勝など、2019年の若手棋士の躍進の理由について、若手棋士の方が囲碁AIをより柔軟に取り入れられるからではないかと分析している。

2019年にオープンした大阪こども囲碁道場では、吉川一、小松大樹、谷口徹らと共に師範を務め、後進の指導にもあたっている。

棋歴

良績

名人戦 リーグ入り 1期（第48期）
本因坊戦 リーグ入り 2期（第76-77期）
天元戦 挑戦者決定戦進出（第45期）
碁聖戦 本戦準決勝進出（第40期）
十段戦 挑戦者決定戦進出（第61期）
関西棋院第一位決定戦 挑戦手合進出（第65期）
新人王戦 準優勝（第45期）
谷口杯 優勝（第3回、非公式戦）
第4回アジアインドア・マーシャルアーツゲームズ 囲碁男子団体戦3位

受賞歴

関西棋院賞
新人賞（2013年）
利仙賞 4回（2019-2022年）
道玄賞 1回（2024年）
連勝賞 1回（2014年）
永井賞 3回（2014-2015年、2017年）

昇段履歴

2012年1月 入段
2014年1月 二段
2018年8月 三段
2019年6月 四段
2020年9月 七段（第76期本因坊戦リーグ入り）

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