グリフィス・ラザフォード

グリフィス・ラザフォードの生涯

グリフィス・ラザフォード（Griffith Rutherford, 1721年頃 - 1805年8月10日）は、18世紀アメリカの軍人であり、ノースカロライナ州の政治指導者として活躍しました。彼は、南西部領土（後のテネシー州）の初期の歴史において重要な人物でした。

若年期と初期の経歴

ラザフォードはアイルランドで生まれ、正確な生年は1721年または1731年とされています。父親はスコットランド系アイルランド人のジョン・ラザフォード、母親はウェールズ出身のエリザベス（旧姓グリフィン）です。18歳の時、両親と共にペンシルベニア植民地フィラデルフィアに移住しましたが、航海中に両親は亡くなり、親戚の農場で働きました。そこで測量技術を習得しました。1753年頃、ノースカロライナ植民地ローワン郡に移り、エリザベス・グラハムと結婚し、10人の子供をもうけました。

ラザフォードは、地域社会で積極的に活動し、多くの公職を務めました。ノースカロライナ州議会の両院で議員を務め、州知事にも立候補しましたが、惜しくも落選しました。

フレンチ・インディアン戦争

1760年、フレンチ・インディアン戦争でイギリス植民地民兵隊の大尉として軍人としてのキャリアをスタートさせました。デュケーヌ砦の戦い、ドブス砦の戦い、そしてアパラチア山脈南部でのチェロキー族に対する作戦など、数々の戦闘に参加しました。1769年から1771年には、世直しの戦争で反乱側に対抗する側に立ち、アラマンスの戦いで民兵隊を指揮しました。その後、ノースカロライナ州セイラムに引退し、痛風の治療に専念しました。

アメリカ独立戦争

1775年にアメリカ独立戦争が勃発すると、ラザフォードはローワン郡安全委員に任命され、ノースカロライナ民兵隊の大佐として参加しました。彼は、サウスカロライナ後背地にいたロイヤリストの武装解除と解体に貢献し、スノー・キャンペーンでの活躍が特に有名です。1776年にはソールズベリー地区准将に昇進し、ノースカロライナ憲法草案の作成にも関与しました。

チェロキー族に対する作戦

1776年夏、ラザフォードは2400名の軍隊を率いて、イギリスと同盟して西部フロンティアの開拓者を攻撃していたチェロキー族に対する作戦を実行しました。彼の連隊は、ギルフォードとサリー各地区の連隊と合流し、ブルーリッジ山脈を越え、数々のインディアン集落を攻撃しました。この遠征で3名の兵士が亡くなりましたが、インディアン側には大きな被害をもたらし、36の集落と広大なトウモロコシ畑を破壊しました。

南部戦線

イギリス軍は南部植民地を脆弱だと見ており、1778年からは南部への攻勢を強めました。ラザフォードは、ロイヤリストを監視していましたが、この状況に対応するため民兵隊を組織しました。サウスカロライナとの境界に移動し、パリーズバーグに作戦本部を設置しましたが、サバンナとオーガスタがイギリス軍に占領されたため、ラザフォードの立場は弱められました。

彼はブライアクリークの戦いでジョン・アッシュ将軍の部隊を支援しましたが、兵士の徴兵期間が終わり、ほとんどの部隊はノースカロライナに戻りました。

1780年、チャールストンが陥落すると、ノースカロライナは大きな脅威にさらされました。ラザフォードは、危機に対応するために、サウスカロライナに残っていた兵士を呼び戻し、シャーロット近くに兵士を集めました。

ラムサーズミルの戦い

1780年6月、ラザフォードはラムサーズミルでロイヤリストが武装して集まっているという情報を得て、兵士を集め、攻撃を仕掛けました。この戦いで、愛国者軍はロイヤリストを破り、ラザフォードは勝利に貢献しました。この戦いは、ロイヤリストの勢力拡大を阻止する上で重要な役割を果たしました。

キャムデンの戦い

キャムデンの戦いでは、ラザフォードは他のノースカロライナ民兵隊と共に大陸軍の中央に陣取りました。しかし、この戦いで彼は負傷し、イギリス軍の捕虜となってしまいました。その後、フロリダのセントオーガスティンにあるサンマルコス砦で10ヶ月間拘束され、捕虜交換で釈放されました。

独立戦争の後半

釈放後、ラザフォードは1400名の民兵を率いて、ロイヤリストに対する攻撃を再開しました。当初は、上官からその行動を批判されましたが、最終的にはウィルミントンのイギリス軍を撤退させることに成功しました。1782年には、チカマウガ族との戦いに再度参加し、勝利を収めました。

その後の人生

独立戦争後、ラザフォードはノースカロライナ州上院議員を1789年まで務めました。反連邦党の運動を推進し、1794年には南西部領土立法議会議長に指名されました。その後、テネシー州サムナー郡に引退し、1805年8月10日に84歳で亡くなりました。

遺産

グリフィス・ラザフォードの功績を称え、以下の場所が彼にちなんで名付けられています。

ラザフォードトン（ノースカロライナ州）
ラザフォード郡（ノースカロライナ州）
* ラザフォード郡（テネシー州）

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