グリーゼ341b

グリーゼ341b

概要

グリーゼ341b（TOI-741 bとしても知られる）は、地球からおよそ33.9光年離れた、りゅうこつ座の方向に位置する太陽系外惑星です。この惑星は、比較的低温で光度が低い赤色矮星であるグリーゼ341の周囲を公転しており、天球上では有名な星列であるニセ十字の近くに見つけることができます。その大きさや質量から、地球に近い「地球型惑星」に分類されており、2024年に発見されました。

特徴

グリーゼ341bは、半径が約0.92地球半径（R⊕）と推定されています。詳細な観測に基づく情報では、その半径は約0.89地球半径、キロメートルに換算すると約5,700キロメートル程度とされています。質量についてはまだ詳しく確定していませんが、上限値は地球質量の4.0倍（4.0 M⊕）であることが分かっています。半径と質量の関係から、現在の推定質量は地球質量の約0.72倍（0.72 M⊕）と見られています。主星であるグリーゼ341のごく近い軌道を回っているため、公転周期はわずか8日という短さです。この近距離のため、惑星の表面温度は非常に高いと予測されており、平衡温度は約560ケルビン（摂氏287度）、放射温度は約760ケルビン（摂氏487度）に達すると推定されています。

2024年現在、グリーゼ341bに大気が存在するかどうかは確定していません。ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡（JWST）による透過スペクトル観測が行われ、そのデータが分析されています。この分析結果によれば、薄い大気がある可能性や、水蒸気を豊富に含む大気がある可能性、あるいは大気が全く存在しないという仮説も、観測データと矛盾しない妥当なシナリオとして考えられています。一方で、平均分子量が大きい重い大気を持つというような他の仮説は、観測データから除外されています。今後のさらなる観測や分析によって、この惑星の大気の有無や組成が明らかになることが期待されています。

発見と観測

グリーゼ341bの存在は、NASAのトランジット系外惑星探索衛星（TESS）による観測データの中から、未確認の候補惑星「TOI-741.01」として最初に特定されました。その後、ジェームズ・カークが主導する天文学者の研究チームが、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡を用いた観測によってこの候補天体が惑星であることを確認しました。彼らは、JWSTに搭載されている近赤外線カメラ（NIRCam）装置を使用して、この惑星が主星の手前を横切る「トランジット」現象を3回捉えることに成功しました。この発見と確認に関する研究結果は、2024年1月に公表されました。

発見後、ヴィクトリア・ディトマソらによる別の研究グループが、グリーゼ341bとその主星に関するパラメーターのさらなる精密な分析を行いました。この分析により、惑星の特性に関する情報がより洗練されました。また、この研究では、公転周期が1,750日（約4.8年）未満で、質量が地球の15.1倍を超えるような他の惑星が同じ星系内に存在するという可能性が排除されました。これは、グリーゼ341b以外の大きな惑星が存在しないことを示唆しており、この星系の構造を理解する上で重要な情報となります。

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