グレート・ブルーホール

グレート・ブルーホール

グレート・ブルーホール（Great Blue Hole）は、ベリーズの沖合70キロメートルの位置にある、大規模な海の穴です。シンプルな円形をしており、その直径は318メートル、水深は124メートル、全体の面積は70,650平方メートルに及びます。この壮大な自然の現象は、第四紀の氷河時代に海水面が低くなっていた際に形成され、その後海面が上昇したことによって水没しました。

ブルーホールの内部には鍾乳石が存在し、これを分析することで何万年も前の形成過程が解明されています。具体的には、15万3000年前から1万5000年前にわたる複数の時期にわたって形成されたことが分かっています。また、グレート・ブルーホールはベリーズ珊瑚礁保護区の一部であり、ユネスコによって世界自然遺産に登録されています。

探査の歴史

この特異な地形は、フランスの著名な海洋学者ジャック＝イヴ・クストーによって広く知られるようになりました。彼は1971年に調査船カリプソ号を用いてブルーホールの探査を行い、この場所の海床が典型的なカルスト石灰岩で形成されていることを確認しました。また、過去に複数回の地殻変動があった可能性も示唆されました。最初の探査で測定された水深は125メートルで、今日でも頻繁に引用されています。

その後も探査は続き、1997年には最深部から地質サンプルの収集を目的とした探査が行われ、経験豊富なダイバーたちが集まって活動しました。

さらに2018年12月には、2隻の潜水艦が内部の詳細な海図を作成するために探査を実施し、3Dマップを精密に作り上げ、91メートルの深さで硫化水素の層を発見しました。この層よりも深い部分は酸性化が進んでおり、生命が存在しません。また、最深部で行方不明になっていた2名のダイバーの遺体が発見され、彼らを敬意をもってそのまま水葬しました。

観光スポットとしての魅力

透明度の高い海面と豊かな海洋生態系を誇るグレート・ブルーホールは、スキューバダイビング愛好者にとっての憧れの場所となっています。多様な魚種が生息しており、特にミッドナイト・パロットフィッシュやペレスメジロザメなどが観察できます。時折オオメジロザメやシュモクザメに出会うこともありますが、それらは珍しい存在です。

このスポットへは日帰り旅行が可能ですが、おおよそ丸一日を要します。また、ベリーズ国内やユカタン半島には、同様の地形を持つセノーテと呼ばれる天然の水溜りも点在しています。

2012年にはディスカバリーチャンネルにより「地球上で最も驚異的な場所10選」の第1位に選ばれ、2018年には特集番組も放送され、ますますその名声を高めています。グレート・ブルーホールは、その神秘的な姿と魅力で多くの人々を惹きつける存在となっています。

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