グロームキイ (駆逐艦・3代)

グロームキイは、1930年代後半にソ連海軍が建造したグネフヌイ級駆逐艦の一隻です。その艦名はロシア語で「大声」を意味する「ромкий」に由来します。

艦歴

グロームキイは、1936年4月29日にレニングラードの造船所190号で起工され、1937年12月6日に進水、1938年12月31日に就役しました。当初はバルト海艦隊に配属されましたが、1939年初頭には白海・バルト海運河を経由して北方艦隊へと転属しました。

フィンランドとの冬戦争では、同型艦グローズヌイと共にペツァモ沖へ機雷を敷設する任務に従事しました。1941年6月22日、ドイツ軍によるソ連侵攻（バルバロッサ作戦）が開始された際、グロームキイはポリャールヌイを母港としていました。同年7月14日、ドイツ軍によるムルマンスク攻略作戦（白金狐作戦）では、同型艦のストレミーテリヌイやグレミャーシチイと共に、ザーパドナヤ・リッツァ川河口西側への部隊上陸を支援しました。

1941年9月10日から15日にかけて、グロームキイは第1駆逐艦隊（グレミャーシチイ、ソクルシーテリヌイ、グローズヌイ）と共に、イギリスの機雷敷設艦アドヴェンチャーから提供された機雷を用いて、ルイバチー半島沖に二つの機雷原を敷設しました。10月20日から29日には、ザーパドナヤ・リッツァ川付近のドイツ軍基地への砲撃を実施しています。

1941年11月14日、グロームキイとグレミャーシチイは、イギリスの軽巡洋艦および駆逐艦2隻と合流し、ドイツ占領下のノルウェー、ヴァードーを砲撃しました。その後、PQ3船団を護衛しアルハンゲリスクまで同行しました。

1942年1月に改装を終えたグロームキイは、グローズヌイと共に軽巡洋艦ナイジェリアを護衛しました。2月20日にはPQ11船団と合流しましたが、嵐の影響で帰港を余儀なくされました。3月1日から4日にはPQ8船団を支援しましたが、悪天候により4名の乗組員が海に投げ出されるという事態に見舞われました。翌日には燃料切れに陥り、グローズヌイから燃料補給を受けました。

3月30日には、大破した軽巡洋艦トリニダードと駆逐艦エクリプスの船団を護衛。5月6日には、非常に強い嵐により甲板や船首側面に亀裂が入る大きな損傷を受けました。応急修理の後、6月20日にグロームキイは本格的な修理のためセヴェロドヴィンスクに到着しました。

修理後の11月22日、グロームキイは嵐で沈没したソクルシーテリヌイの乗組員を救助しましたが、その際に再び船体を損傷しました。11月29日から1943年1月25日にかけて再修理が行われました。

1943年2月以降、グロームキイはムルマンスクと白海の間で護送船団の護衛任務に従事しました。3月27日から28日および30日から31日には、バクーおよびグローズヌイと共にノルウェー沿岸でドイツ軍の補給艦を攻撃しようと試みましたが、失敗に終わりました。その後、RA54船団、JW54A船団、RA55船団、JW56A船団、RA56船団、RA58船団などの護衛任務をこなし、3月6日に赤旗勲章を受章しました。

戦後、グロームキイは1948年3月27日から1954年12月31日まで長期にわたる近代化改修が行われ、1956年12月27日に試験船OS-3として再配備されました。その後、1957年9月7日にノヴァヤゼムリャで行われた核実験の標的となり、10月10日に沈没しました。

グロームキイは、その波乱に満ちた生涯の中で、数々の重要な任務を遂行し、第二次世界大戦におけるソ連海軍の活動を支えた一隻と言えるでしょう。

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