ケスナヅル

ケスナヅル（毛砂蔓）について

ケスナヅル（学名：Cassytha pubescens）は、クスノキ科スナヅル属に分類されるつる性の寄生[[植物]]です。以前は Cassytha filiflormis var. duipraticola というシノニムで呼ばれていました。

分布と生育環境

ケスナヅルは、日本では沖縄諸島（沖縄島、伊平屋島、伊是名島）に分布しており、国外ではオーストラリアに生育しています。日当たりの良い低木林などで、オオマツバシバやシバニッケイなどの植物に寄生して成長します。

形態の特徴

ケスナヅルは、長さ3～5mになるつる性の植物で、茎は直径約1mmと細く、地を這うように伸びます。茎には褐色の毛が生えているのが特徴です。葉は退化して鱗片状になっており、目立ちません。花は穂状の花序を形成し、長さ約1cmの花序の先に2～5個の花をつけます。果実は直径約5mmの球形です。

近縁種について

日本には、ケスナヅルと同じスナヅル属の植物が3種（2種3変種とする説もあります）生育しています。

スナヅル：ケスナヅルの基本変種で、茎の太さが1～2mmあり、無毛で緑色をしています。
イトスナヅル：ケスナヅルよりもさらに細く、茎の直径は0.3～0.5mmで、無毛、赤黄色をしています。

興味深いことに、沖縄県の伊是名島では、この3種（変種）全てが同じ島に分布しています。

保護状況

ケスナヅルは、環境省のレッドリストで絶滅危惧II類（VU）に指定されており、絶滅の危機に瀕しています。また、生育地である沖縄県が作成したレッドデータブックにも掲載され、保護の対象となっています。

環境省レッドリスト：絶滅危惧II類 (VU)
沖縄県レッドデータブック：絶滅危惧II類

参考文献

沖縄県文化環境部自然保護課編 『改訂・沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物（菌類編・植物編）-レッドデータおきなわ-』、2006年。
環境省自然環境局野生生物課編 『改訂・日本の絶滅のおそれのある野生生物植物I』 財団法人自然環境研究センター、2000年。
島袋敬一編著 『琉球列島維管束植物集覧』 九州大学出版会、1997年。
初島住彦・天野鉄夫 『増補訂正 琉球植物目録』 沖縄生物学会、1994年。

外部リンク

* J-IBIS絶滅危惧種情報 - 環境省版RDBでのケスナヅルの解説

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