ケプラー160

ケプラー160

ケプラー160は、地球から約3140光年離れたこと座にある恒星です。質量と半径が太陽に酷似している点が特徴で、NASAのケプラー宇宙望遠鏡が観測しました。

恒星の特性

比較的古い恒星で、検出可能な星周円盤はありません。大きさは太陽に近く、表面温度は太陽より約300K低いものの、光度はほぼ同じです。金属量は不明で、太陽の40%または160%と異なる値が報告されています。

惑星系の探査と発見

ケプラー160の周囲には、複数の太陽系外惑星やその候補が存在します。探査は、ケプラー宇宙望遠鏡によるトランジット法（惑星通過時の減光検出）で行われました。

2010年のデータに基づき、2011年初頭に2つの惑星候補が発表され、2014年にはケプラー160bとケプラー160cとして確認されました。これらの惑星は公転周期がほぼ1対3という関係にありますが、軌道共鳴は確認されていません。

新たな惑星と注目の惑星候補

その後の観測で、ケプラー160cの公転周期変動から、トランジットを起こさない別の惑星ケプラー160dの存在が示唆されました。この発見は2020年6月3日に公表され、惑星dの質量は地球の1倍から100倍の間と推定されています。

ケプラー160dの発見とほぼ同時に、ハビタブルゾーン（液体の水が存在しうる範囲）内に非常に興味深い惑星候補KOI-456.04が発見されました。KOI-456.04は地球の直径の約1.9倍の大きさと推定されており、その公転軌道は地球が太陽を回る軌道と非常に似ています。ケプラー160から受け取るエネルギー量は、地球が太陽から受け取る量の約93％に相当します。

「地球と太陽の鏡像」

恒星ケプラー160が太陽に酷似し、惑星候補KOI-456.04がハビタブルゾーン内の地球に類似した軌道を公転していることから、このペアは「地球と太陽の鏡像（A mirror image of Earth and Sun）」と形容されることがあります。これは、私たちの地球と太陽の関係性を連想させるためです。ただし、KOI-456.04は現時点では「候補」であり、確定には更なる観測が必要です。

ケプラー160系は、生命が存在しうる環境を持つ可能性のある惑星を探す上で重要なターゲットの一つです。今後の観測が、この系の全貌、そしてKOI-456.04が本当に地球のような惑星であるのかを明らかにする鍵となるでしょう。

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