ケプラー7

こと座の方向に位置する恒星、ケプラー7は、NASAが太陽系外惑星の探査を目的として運用したケプラー宇宙望遠鏡の観測範囲内に存在します。この恒星は、ケプラー計画が初期にその発見を公表した5つの系外惑星系の一つに含まれており、周囲には惑星が存在することが確認されています。

発見とその経緯

ケプラー7という名前は、NASAのケプラー計画によって発見された系外惑星系の恒星として7番目にカタログ化されたことに由来します。周囲を公転する惑星、ケプラー7bは、同計画が検出した惑星としては4番目にあたります。計画初期には、ケプラーの観測性能を確かめる目的で、既に知られていた3つの系外惑星が観測されました。ケプラー7bの存在は、2010年1月4日にワシントンD.C.で開催されたアメリカ天文学会の会議で、ケプラー4b、5b、6b、8bといった他の初期発見惑星と共に公表されました。この惑星系の存在は、ハワイのケック第1望遠鏡をはじめ、テキサス州、カリフォルニア州、アリゾナ州、カナリア諸島の望遠鏡を用いた地上からの追観測によって最終的に確定されました。

ケプラー7の性質

ケプラー7は、地球から約3,000光年の距離にあると推定されています。視等級は約13等級と非常に暗く、肉眼で見ることは不可能です。この恒星は太陽に似ていますが、質量は太陽の約1.35倍、半径は約1.84倍と、太陽よりもかなり大きいことが分かっています。年齢はおよそ35億年と見積もられており、約46億年の太陽より若いです。金属量、特に鉄と水素の存在比を示す指標は約0.11 dexで、太陽より3割ほど多いとされており、系外惑星を持つ恒星に多く見られる金属量過多の傾向と一致しています。表面温度は約5,933ケルビンで、太陽の約5,777ケルビンと比べてわずかに高温です。

惑星系

現在までに、ケプラー7の周囲で確認されている惑星は、ケプラー7bのみです。この惑星は、質量が木星の約0.44倍に対し、半径が木星の約1.62倍と非常に大きいのが特徴です。このため、体積は木星の4倍を超えますが、質量はその半分にも満たない計算になります。その結果、平均密度はわずか0.14 g/cm³となり、水の密度の約7分の1、発泡スチロールと同程度の極めて低い密度を持つ「ホットジュピター」タイプの惑星と考えられています。母星ケプラー7からの距離は約0.061天文単位と、水星の太陽からの平均距離（約0.387天文単位）よりもはるかに近く、公転周期は約4.89日と非常に短いです。その軌道はほぼ真円であると推定されています。

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