ケラニヤ大学

ケラニヤ大学（University of Kelaniya）

ケラニヤ大学は、スリランカの首都コロンボ郊外、ケラニヤに位置する由緒ある公立大学です。略称はUOKで、シンハラ語、タミル語ではそれぞれ「කැළණිය විශ්වවිද්‍යාලය」、「களனி பல்கலைக்கழகம்」と表記されます。

歴史

1875年、仏教僧の教育機関としてその歴史をスタートさせました。その後、1940年代から50年代にかけて近代化が進められ、1959年にヴィディヤランカラ大学、1972年にセイロン大学ヴィディヤランカラ校と名称を変更。1978年に現在のケラニヤ大学となりました。

スリランカの高等教育において、先駆的な役割を数多く担ってきたことでも知られています。シンハラ語による科学教育を最初に行った大学であり、教養科目を文学部、社会科学部、商学・経営学部の3学部に再編したのもケラニヤ大学が最初でした。

さらに、産業経営学科や細菌学科の理学部への設置、美術学科、現代言語学科、ヒンディー語学科の文学部への設置、マスコミ学科、図書館学科、情報科学科の社会科学部への設置など、スリランカの高等教育に大きな影響を与えた制度を数多く生み出しています。

象徴

紋章

大学の紋章は円形で、3つの同心円状の帯で構成されています。最も外側の帯には、シンハラ語と英語で大学名とモットーである「パンナヤ・パリスチャティ」（「自己浄化は洞察力による」）が記されています。中央の帯は蔓模様で飾られ、中心には純粋さの象徴である蓮の花が描かれています。これらのデザインは、古都アヌラーダプラのムーンストーンに頻繁に見られる意匠です。

学部構成

ケラニヤ大学は、以下の6つの学部で構成されています。

理学部
医学部
社会科学部
文学部
商学経営学部
コンピューティング・テクノロジー学部

理学部

1967年にチャールズ・ダハナヤケ教授が学部長に任命され、創設されました。当初は57名の学生から始まり、1992年には新講義棟と講堂が完成、2003年には450名の学生を受け入れるまでに成長しました。現在では、化学科研究棟、産業経営学科棟、細菌学科棟、動物学科棟なども整備されています。

以下の8学科で構成されています。

化学科
産業管理学科
数学科
微生物学科
物理・電子工学科
植物・分子生物学科
統計・計算機科学科
動物・環境管理学科

センター機能

中央研究室
園芸研究センター
吹きガラスセンター
ココナッツオイルセンター
* ソフトウェア工学教育機構

ソフトウェア工学教育機構は、2017年9月に設立され、ソフトウェア工学分野で活躍する人材育成を目的としています。インターネット、モバイルコンピューティング、データサイエンス、ヘルスインフォマティクス、ゲーム・アニメーションのコースがあり、卒業生には理学士の優等学位が授与されます。

医学部

スリランカ国内で医学部を設置する8大学の一つです。ラーガマキャンパスに位置し、1980年に設立された北コロンボ医科大学が前身です。1991年に医学部として統合され、1期生として120名が入学しました。カルロ・フォンセカ教授が初代学部長を務めました。

南アジア諸国からの留学生を含め、1000人以上の学生が学んでいます。ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアからの留学生も受け入れています。

120名以上の常勤講師、約40名の非常勤講師、60名以上の客員講師が教鞭をとっています。

社会科学部

学内で最大の学部であり、12学科に2215人の学部生と650人の大学院生が在籍しています。

文学部

多様な学科とセンター機能を持ち、人文科学分野の研究と教育に力を入れています。

商学経営学部

4つの学科があり、スリランカの産業界に多くの人材を輩出しています。

コンピューティング・テクノロジー学部

2015年に設立された新しい学部です。学内の情報通信機能の向上を目指し、計算機工学分野の中心的な存在となることを目標としています。

大学院

6つのプログラムを通じて、23の学位が提供されています。

大学図書館

1959年に設置され、23万冊の蔵書と150種の学術雑誌を所蔵しています。

対外関係

日本の信州大学と学術交流協定を結んでいます。

もう一度検索