ケンドリック・パーキンス

ケンドリック・パーキンス：不屈の精神で頂点へ、そして辛口アナリストへ

ケンドリック・ラデイル・パーキンス（Kendrick La'Dale Perkins）は、1984年11月10日、アメリカ合衆国テキサス州ネーダーランドで生まれました。身長208cm、体重120kgの恵まれた体格を活かし、NBA選手として活躍。現在は、その歯に衣着せぬ辛口な解説が人気のNBAアナリストとして、新たなキャリアを築いています。

高校時代の輝かしい実績

パーキンスは、テキサス州ボーモントの高校に進学し、その才能を開花させます。在学中には、チームを郡と州のチャンピオンに導くという偉業を達成。最終学年時には、1試合平均27.5得点、16.4リバウンド、7.8ブロックという驚異的な数字を記録し、チームを33勝1敗という圧倒的な成績に導きました。その圧倒的な存在感から、ファンやマスコミからは「ベビー・シャック」という愛称で呼ばれ、マクドナルド・オールアメリカンにも選出されるなど、全米から注目を集める存在となりました。メンフィス大学への進学が内定していましたが、2003年のNBAドラフトにアーリーエントリーすることを決意します。

NBAでの挑戦

2003年のNBAドラフトで、パーキンスは1巡目27位でメンフィス・グリズリーズから指名を受けますが、直後にトロイ・ベル、ダンテイ・ジョーンズとのトレードでボストン・セルティックスに入団します。しかし、ルーキーイヤーは出場機会に恵まれず、わずか10試合の出場、1試合平均3.5分という苦いスタートとなりました。2年目の2004-05シーズンには60試合に出場し、平均出場時間も9.1分に増加。セルティックスの中でも、タフなディフェンダーとして頭角を現し始めます。2005年のインディアナ・ペイサーズとのプレーオフ第6戦では、ポール・ピアースが退場となる直前に得たフリースローを、相手ヘッドコーチのリック・カーライルから指名され2投するも、いずれも失敗。試合はオーバータイムにもつれ込むという経験もしました。

サマーキャンプでの努力が実を結び、3年目の2005-06シーズンからは、アントワン・ウォーカーの移籍なども影響し、ドック・リバースヘッドコーチから多くのプレイタイムを与えられるようになり、ローテーション入りを果たします。出場した68試合中40試合で先発出場し、平均19.6分出場、5.2得点、5.9リバウンド、1.5ブロックという成績を残しました。マーク・ブラウントがミネソタ・ティンバーウルブズに移籍すると、先発センターとしてプレイする機会も増えました。4年目の2006-07シーズンには、平均出場時間を21.9分まで伸ばしましたが、1年後輩のアル・ジェファーソンの成長もあり、個人成績はやや下降しました。

セルティックス黄金期を支える

2007-08シーズン開幕前、セルティックスは大型補強を行い、シアトル・スーパーソニックスからレイ・アレン、ミネソタ・ティンバーウルブズからケビン・ガーネットを獲得します。パーキンスは、この2人とエースのポール・ピアースによる「ビッグ3」を支え、シーズンを通してスターターの座をキープ。プレイオフでも、自身の役割を確実にこなし、ファイナル制覇に大きく貢献しました。

08-09シーズンも、インサイドの要として、目立たないながらもチームを支え続け、1試合平均8.5得点、8.1リバウンド、2.0ブロックという成績を残しました。シーズン終盤にガーネットが故障で離脱すると、パーキンスへの負担はさらに増しましたが、プレーオフでは1試合平均11.9得点、11.6リバウンド、2.6ブロックと、シーズン中よりもさらに成績を伸ばし、オーランド・マジックとのカンファレンスセミファイナルでは、マッチアップしたドワイト・ハワードを平均16.4得点に抑え、そのディフェンス力を遺憾なく発揮しました（ハワードのシーズン平均は20.6得点）。

さらなる挑戦：サンダー、キャバリアーズ、ペリカンズへ

2011年2月24日、ネイト・ロビンソンと共に、ジェフ・グリーン、ネナド・クリスティッチとの交換トレードにより、オクラホマシティ・サンダーへ移籍。新たなチームで、さらなる高みを目指します。

2015年2月19日、NBA内で一斉に行われた大型トレードでユタ・ジャズに放出された後、バイアウトで解雇。2月24日には、クリーブランド・キャバリアーズと契約を結びます。その後、2015年7月21日にニューオーリンズ・ペリカンズと1年契約を締結。

2016-17シーズンは無所属となり、2017年9月21日にキャバリアーズとトレーニングキャンプに関する契約を結びましたが、開幕前に解雇。解雇後は傘下のカントン・チャージに送られ、NBA復帰を目指すことになります。

2018年4月11日、クリーブランド・キャバリアーズと2017-18シーズン終了までの契約を結び、再びNBAの舞台へ。

プレースタイル

パーキンスは、オフェンスではゴール下を主な仕事場とし、外角からのシュートや大量得点は期待できませんが、頑丈な体格を活かしたポジション取りや、ディフェンスなど、数字には表れないプレーを得意としていました。ファウルの多さが課題でしたが、チームのために体を張るプレースタイルは、多くのファンを魅了しました。

引退後：辛口アナリストとしての活躍

引退後、パーキンスはその率直な物言いを活かし、ESPNなどのNBAアナリストとして活躍しています。歯に衣着せぬ辛口な解説は、時に物議を醸すこともありますが、その本質を突いた分析は、多くのファンから支持を集めています。かつては屈強なセンターとしてNBAのコートを駆け巡ったパーキンスは、現在、辛口アナリストとして、新たな舞台でその才能を発揮しています。

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