ケンドール・ギル

ケンドール・セドリック・ギルは、1968年5月25日生まれのアメリカ合衆国の元プロバスケットボール選手です。196cm、88kgの体格で、主にシューティングガードとスモールフォワードを務めました。NBAのニュージャージー・ネッツ（現ブルックリン・ネッツ）などで活躍し、1999年にはリーグスティール王に輝きました。

ギルはイリノイ州シカゴで生まれ、高校時代にはチームを州のトーナメント準優勝に導く活躍を見せました。その後、地元の名門イリノイ大学に進学。3年次の1989年には、後にNBA入りするニック・アンダーソンらと共に、チームを37年ぶりにNCAAトーナメントのファイナル4に導きました。4年次には平均20.0得点、2.2スティールを記録し、オールアメリカ2ndチームに選出されるなど、大学バスケットボール界でも傑出した選手として評価を高めました。

1990年のNBAドラフトにおいて、ギルは全体5位という高い評価でシャーロット・ホーネッツに入団。ルーキーシーズンから全試合に出場し、平均11.0得点を記録してオールルーキー1stチームに選ばれました。2年目には先発に定着し、チームトップの平均20.5得点を挙げるなど、中心選手としての地位を確立。ラリー・ジョンソン、アロンゾ・モーニングらと共にチームを牽引し、1992-93シーズンにはホーネッツを球団史上初のプレーオフ進出に導きました。しかし、シーズン終了後、ギルはシアトル・スーパーソニックスにトレードされることになります。

スーパーソニックスでは、ゲイリー・ペイトン、ショーン・ケンプといったスター選手たちとチームメイトになりましたが、ギルが在籍した2シーズンはいずれもプレーオフ1回戦敗退に終わりました。1995年には古巣ホーネッツに復帰しましたが、シーズン半ばでニュージャージー・ネッツに移籍しています。

ネッツでの2年目、1996-97シーズンには、ギルはチーム1位かつキャリアハイとなる平均21.8得点を記録しました。その後、キース・ヴァン・ホーン、ステフォン・マーブリーらにエースの座を譲りながらも、主力選手としてチームを支え続けました。1998-99シーズンには、平均2.68スティールを記録し、念願のスティール王に輝きました。このシーズン中のマイアミ・ヒート戦では、NBA史上最多タイ記録となる1試合11スティールを記録。さらに、15得点10リバウンドも記録し、得点・リバウンド・スティールでの珍しいトリプルダブルを達成しました。

その後、ギルは2001年にマイアミ・ヒートにトレードされ、ミネソタ・ティンバーウルブズ、シカゴ・ブルズ、ミルウォーキー・バックスと渡り歩き、2005年に現役を引退しました。NBAでの通算成績は、12,914得点、4,002リバウンド、1,519スティール（平均13.4得点、4.1リバウンド、1.6スティール）。ネッツで記録した652スティールは、球団史上5位の記録となっています。

引退後は、テレビのバスケットボールアナリストとして活躍しています。その的確な分析とユーモア溢れる解説で、多くのファンから支持を得ています。

主な功績
NBAスティール王 (1999年)
オールルーキー1stチーム (1991年)
* イリノイ大学ファイナル4進出 (1989年)

ケンドール・ギルは、NBA史上に残るスティールの名手として、その名を刻んでいます。

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