ゲオルク・ティーレ (駆逐艦)

Z2 ゲオルク・ティーレ：激戦の生涯を終えたドイツ駆逐艦

Z2 ゲオルク・ティーレは、第二次世界大戦中にドイツ海軍で運用された1934型駆逐艦の2番艦です。その艦名は、第一次世界大戦におけるテセル島沖海戦で戦死したドイツ帝国海軍のゲオルク・ティーレ少佐に敬意を表して命名されました。

建造と初期の活動

Z2 ゲオルク・ティーレは、1934年7月7日に発注され、同年10月25日にキールのドイチェヴェルケ造船所にて起工されました。1935年8月18日に進水し、1937年2月27日に就役、第1駆逐師団に配属されました。1938年4月には、姉妹艦であるZ3 マックス・シュルツやZ4 リヒャルト・バイツェンと共にノルウェーのウルヴィクに寄港しています。

その後、建造元のドイチェヴェルケ社に引き渡され、波浪による船首の損傷を修復するため、大規模な改造が行われました。この改造によって全長が30メートル延長されています。1938年8月22日には、アドルフ・ヒトラーとハンガリー王国摂政ミクロシュ・ホルティのために実施された艦観式と、その後の艦隊演習に参加しています。

12月には、姉妹艦であるZ1 レーベレヒト・マース、Z3 マックス・シュルツ、Z4 リヒャルト・バイツェンと共に、新しくなった船首での北大西洋における耐航性を評価するため、アイスランド近海まで航海しました。

1939年8月には、バルト海で水雷艇ティーガーと衝突し損傷した駆逐艦マックス・シュルツ(Z3)を曳航する任務にもあたりました。

ノルウェー侵攻作戦

1940年4月、Z2 ゲオルク・ティーレは、ノルウェー侵攻作戦にナルヴィク攻略部隊の一員として参加します。4月9日、部隊はオフォトフィヨルドに進入し、Z2はZ21 ヴィルヘルム・ハイドカンプ、Z11 ベルント・フォン・アルニムと共にナルヴィク港の占領に向かいました。この際、ノルウェーの海防戦艦2隻を撃沈するという戦果を挙げています。

ナルヴィク海戦

しかし、4月10日にイギリス海軍の駆逐艦隊がフィヨルドに侵入し、第一次ナルヴィク海戦が発生します。バランゲンフィヨルドに停泊していたZ2とZ11は、退避中のイギリス駆逐艦と交戦し、ハーディ、ホットスパー、ハンターを大破させました。ハーディは海岸に乗り上げ、ホットスパーはハンターと衝突、ハンターは沈没するという損害をイギリス側に与えました。

Z2自身も7発の命中弾を受け、大きな損傷を負いました。4月13日、戦艦ウォースパイトを中心とするイギリス艦隊が再びフィヨルドに侵入、第二次ナルヴィク海戦が発生します。Z2は雷撃で駆逐艦エスキモーを大破させるものの、最終的には艦長の判断により海岸に座礁、全損となりました。マックス＝エッカート・ヴォルフ艦長以下、生存者は脱出し、ナルヴィクの地上戦に参加しました。

その後

Z2 ゲオルク・ティーレの船体は解体されることなく放置され、現在では二つに裂けて転覆した状態で残っています。この残骸は、ダイビングスポットとして利用されています。

登場作品

Z2 ゲオルク・ティーレは、スマートフォンゲーム『アズールレーン』に、鉄血公国の駆逐艦「Z2」として登場しています。

この駆逐艦は、その短い生涯の中で数々の激戦を経験し、その姿は今もなお、海底に眠りながら戦争の記憶を伝えています。

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