ゲネラール＝アドミラール (装甲巡洋艦)

ゲネラール＝アドミラール

「ゲネラール＝アドミラール」は、ロシア帝国が建造した初の装甲巡洋艦であり、1870年代におけるロシア海軍の重要な艦艇の一つです。この艦は、クリミア戦争の敗北を受けてロシア海軍が外洋に進出し、艦隊を復興させるための試みの一環として設計されました。

概要

「ゲネラール＝アドミラール」は、ロシア帝国海軍が1869年から1875年にかけて建造した装甲巡洋艦です。艦名は、ロシア帝国の海軍元帥の称号に由来しています。この艦は、初年度の設計によって装甲巡洋艦とされましたが、ロシア軍艦の分類においては、1875年にフリゲートに変更され、さらに1892年には1等巡洋艦に格上げされました。最後には1944年まで海軍に在籍しており、長期間にわたり様々な役割を果たしました。

設計と艤装

「ゲネラール＝アドミラール」は、金属製の船体に防護装甲を持つ艦艇として設計されました。ロシアが極東への艦隊戦力を強化する中で、改製された木造艦の再利用が検討されましたが、高額な改修費用により新造が決定されました。設計の中心を担ったA・A・ポポーフ少将の元、艦は鉄製の下層甲板を持ち、公称出力900馬力の蒸気機関を搭載し、14ノットの速力を発揮できるように設計されました。装備には203mm砲4門を中心に、152mm砲、さらに小口径の砲も数多く搭載されました。

建造と運用

建造は1873年に始まり、その進捗は予算削減に伴う遅れや火災に影響を受けました。完成までに5年を要し、主機の装備が遅れ、様々な問題により艦は苦境に立たされました。しかし、1879年には修理が完了し、1880年には太平洋に向けた遠航が実現しました。その後、艦は数度の改装を経て、1893年にニューヨークで行われた国際観艦式にも参加しました。

改装と変遷

1909年には水雷輸送船への改装が行われ、艦名は「ナローヴァ」に変更されました。この改装により、大幅な武装削減と引き換えに機雷搭載能力が強化されました。第一次世界大戦中は機雷敷設艦としてフィンランド湾で活動しましたが、ロシア革命後は様々な所属が変わり、海軍の中核部隊として役割を果たしました。

第二次世界大戦と退役

第二次世界大戦中は基地として使用され、1944年に戦後処理の一環で廃船されることが決定されました。最終的には解体商に引き渡され、1953年に解体されました。「ゲネラール＝アドミラール」は、極東から地中海に及ぶ活動を通じて、ロシア海軍の発展に寄与した艦船として、歴史に名を刻んでいます。

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