ココ・ブカ

ココ・ブカ（生没年不詳）は、モンゴル帝国に仕えた将軍であり、タタル部出身です。『元史』には闊闊不花と記録されています。膂力に優れ、騎射に長けていたと伝えられます。

初期の活躍

ココ・ブカがどのようにモンゴル帝国に仕えるようになったかは定かではありませんが、チンギス・カンの目に留まり、金朝との戦いに参加するようになります。彼は『元朝秘史』に登場するココと同一人物であるという説もありますが、確たる証拠はありません。

チンギス・カンは金朝領各地で勝利を重ね、有利な条件で講和を結びました。金朝方面の指揮権はムカリに委ねられ、ココ・ブカはアルチャル、ボロト、セウニデイ、ブルガイ・バアトルらと共に「五部将」として先鋒を務めました。

領民への配慮

ココ・ブカは無益な殺戮を好まず、威信によって金朝の領民を服従させることを望みました。そのため、彼が訪れた地域はこぞってモンゴル帝国に降伏したと言われています。特に山東方面での侵攻では、浜州や棣州を平定し、捕虜とした400名余りの人々を記録した上で故郷に帰しました。益都を攻略した際には、獲得した財宝や家畜を全て兵士に分け与えたとされています。

金朝征服とその後

チンギス・カンの死後、オゴデイが第2代皇帝として即位すると、金朝の完全征服が開始されました。1232年、ココ・ブカはオゴデイと共に黄河を渡り、開封や帰徳を攻略、さらに淮河を渡って寿州を包囲しました。寿州の守将が降伏を拒否した際には、降伏を促す書状を矢で城内に射込みました。その書状を読んだ住民は、金の公主を奉じて降伏したと伝えられています。益都に入城した際には、配下の軍勢に掠奪を厳しく禁じたため、城内は安定したと言われています。

金朝滅亡後、1236年には旧金朝領の諸王や功臣への分割が行われ、ココ・ブカは自らが征服した益都・済南方面に駐屯するよう命じられました。また、益都に600戸を与えられ、その投下領は代々ココ・ブカの家系が継承しました。その後、ココ・ブカは間もなく亡くなりました。

子孫

ココ・ブカの息子である黄頭は、父の地位を継承してタンマチ軍を率い、南宋遠征に従軍しましたが、途中で亡くなりました。その息子の東哥馬は黄頭の地位を継承し、右都威衛千戸となりました。

タンマチ「五部将」

アルチャル
ボロト
セウニデイ
ブルガイ・バアトル
* ココ・ブカ

※ブルガイ・バアトルは後にケレイテイと交替しました。

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