コジオスコ

コジオスコ山：オーストラリア大陸の最高峰

コジオスコ山（Mount Kosciuszko）は、オーストラリア大陸で最も高い山として知られています。コジオスコ国立公園の中心に位置し、周辺地域はスノーウィー・マウンテンズと呼ばれ、オーストラリアを代表するスキーリゾート地として冬季には多くの観光客で賑わいます。北半球とは逆の季節であるため、南半球の夏にスキーを楽しむ人々も多く訪れます。なお、山名の表記には「コジオスコ」、「コジアスコ」、「コシアスコ」、「コジウスコ」など、複数の表記が見られます。

命名の由来

1840年、ポーランドの探検家パヴェウ・ストシェレツキによって命名されました。ポーランドとリトアニアの英雄、タデウシュ・コシチュシュコに因んで名付けられたもので、クラクフにあるコシチュシュコを記念した人工の小山「コシチュシュコの丘」の形に似ていることから名付けられたと言われています。

登頂方法

コジオスコ山への登頂は比較的容易で、主要なルートは2つあります。

1つ目はシャーロット峠を経由する方法です。約9kmの道のりを歩くと山頂に到達します。1976年までは、ローソン峠まで車でアクセスできました。

もう1つは、スキーリゾートとしても有名なスレブドから登る方法です。スレブドからは標高1930m地点まで有料のリフトが運行しており、山頂まではわずか6.5kmです。リフト終点からは、植生保護のための木道や鉄網で作られた道が整備されており、夏には美しい高山植物の花畑を楽しむことができます。

地形と生態系

コジオスコ山は造山運動によって形成されました。近年の火山活動とは無関係で、火山活動の痕跡は見られません。山周辺には、氷河地形であるモレーン、カール、氷河湖が多く存在します。その中でも、ブルーレイクはオーストラリア国内にある4つのカール湖の1つであり、特に標高の高い場所に位置する湖として知られています。ブルーレイク周辺には、ヒース、フェン、ボグといった高山植物が生育しており、1996年にはラムサール条約の登録地となりました。

コジオスコ山とその周辺地域は、生物多様性に富んでいます。標高1850m以上の高山地域には、ブーラミス、フエガラス、ヒロハネズミなどの有袋類やトカゲが生息し、亜高山帯にはオオカンガルーやコトドリ、標高1400m以下の山地にはハイイロリングテイルやオグロワラビーなどが生息しています。アルパインスノーガムなどの植生も見られます。コジオスコ国立公園は1977年にユネスコの生物圏保護区に登録されましたが、2020年にはオーストラリアの申請により登録が撤回されました。

オーストラリアにおけるコジオスコ山よりも高い山

オーストラリアが領有または領有を主張する領土には、コジオスコ山よりも高い山が存在します。

モーソン・ピーク (2745m、ハード島)
マクリントック山 (3490m、オーストラリア南極領土)
* メンジース山 (3355m、オーストラリア南極領土)

これらの山は、コジオスコ山とは異なり、オーストラリア本土には存在しません。

もう一度検索