コスモス (テレビ番組)

コスモス (COSMOS)

『コスモス』は、アメリカの著名な天文学者カール・セーガンが監修したテレビドキュメンタリーで、1980年にアメリカで初めて放送されました。この番組は、宇宙や科学を一般の人々にわかりやすく伝えることを目的とし、多大な視覚効果が盛り込まれた画期的な内容でした。

制作背景

1978年から1979年にかけて、アメリカのPBSが制作し、イギリスBBCや西ドイツのポリテール・インターナショナル、日本の朝日放送が協力しました。このプロジェクトには巨額の資金、約20億円が投じられ、セーガン自らが進行役として登場しました。日本での放映時は「コスモス（宇宙）」と表記され、その影響力は計り知れません。

『コスモス』は、全13回にわたるシリーズとして、60カ国以上で放映され、視聴者から大きな反響を得ました。1981年にはエミー賞を受賞し、再放送やビデオ、DVDの販売も行われ、セーガンが亡くなる1997年までには視聴者数が5億人を超え、現在ではその数字はさらに増えています。さらに、セーガンが執筆した同名の書籍も同時期に出版され、1981年にヒューゴー賞ノンフィクション部門を受賞しました。

日本での放映と反響

1980年11月、日本では朝日放送創立30周年記念番組として放映されました。この時、セーガンの吹き替えを担当したのは声優の横内正で、日本語版の制作は朝日放送と東北新社が行いました。日本での放映は、本国アメリカよりも早く、平均視聴率は関東で8.5%、関西で14.5%となるなど、大変な人気を呼びました。この頃、セーガンが来日した際には、国内で大きな社会現象となりました。

また、番組には、日本の自然を題材にしたエピソードも含まれており、番組制作が日本でのロケを考慮して行われたことがうかがえます。放映に伴い、朝日講堂でシンポジウムが開催され、また池袋のサンシャインプラネタリウムでは「ヤング宇宙セミナー」が行われるなど、関連イベントも盛況でした。

再放送とその後

翌1981年には、子ども向けに配慮された時間帯で全13話が再放送され、特別番組も放映されました。この放映の際、同時期にはスペースシャトルの先駆的なミッションが行われており、宇宙への関心が高まっていたことも影響していました。今でも再放送が行われ、前回は2014年にBSスカパーにて3日間にわたって全13回が放送されました。

書籍と映像メディア

カール・セーガンによる『コスモス』の書籍版は1980年に朝日新聞社から発売され、予想以上の売上を記録しました。その後もビデオやDVDなど、様々な形での販売が続きました。特に2000年には、画期的なリージョン0のDVDがリリースされ、これまでの映像に対して最新のハッブル宇宙望遠鏡の画像が使用され、新しい視点を提供しました。

様々な音楽も番組の中で使用されており、ヴァンゲリスの「天国と地獄」やアラン・ホヴァネスの交響曲などが取り入れられました。

『コスモス』は、科学教育の重要性を広く伝える記念碑的な作品として、今なお多くの人々に親しまれ続けています。

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