コディアック

コディアックとは

コディアック（英: Kodiak、露: Кадьяк）は、アメリカ合衆国アラスカ州に位置する市で、コディアックアイランド郡に属します。この地域は、ロシア帝国時代にロシア領アメリカの中心地として栄えました。現代でも、アメリカ合衆国沿岸警備隊の最大の基地やロケット打上げ施設が存在し、重要な戦略的拠点となっています。

地理的特徴

コディアック市はコディアック島の北東部に広がり、位置座標は北緯57度47分35秒、西経152度23分39秒です。アメリカ合衆国国勢調査局によれば、市全体の面積は12.6平方キロメートルであり、そのうち9.0平方キロメートルが陸地となっています。美しい自然環境と豊かな海洋資源に恵まれたこの地域は、大きな観光資源ともなっています。

気候の特徴

コディアックは海洋性の気候に属しており、一年を通じて降雨量が多いのが特徴です。冬の期間はアラスカ内陸部に比べて温暖で、雪よりも雨が降る日が多いです。さらに、夏は比較的冷涼で、異常な高温になることは稀であり、気候は全般的に安定しています。このため、周囲の自然環境には多くの樹木が繁茂しており、「アラスカの翠玉の島」との愛称が付けられています。

歴史的背景

コディアックの最初の住民はユピク系のアルティイク人であり、現在も多くのアルティイク人がこの地域に居住しています。1740年代からロシア人がアラスカに到達し、1784年には探検家グリゴリイ・シェリホフがコディアック島を訪れ、初の入植地をスリー・セインツ湾沿岸に設立しました。1790年にはアレクサンドル・バラノフが島の北東に居住地を設け、これが後のコディアック市の基礎となります。

1867年、アラスカはロシアからアメリカ合衆国に売却され、以降アメリカからの入植者が増加しました。第2次世界大戦中には、コディアック周辺に多数の軍事基地が設けられ、日本軍によるキスカ島とアッツ島の占領に対抗するための前哨基地として利用されました。

コディアックは自然の影響を受けやすい地域でもあり、歴史上数回の大規模な自然災害に見舞われました。特に1912年にはアラスカ本土でノヴァルプタ山が噴火し、コディアック市は甚大な被害を受けました。また、1964年の大アラスカ地震では津波が市を襲い、大きな損害を与えました。

人口動態

2000年度のアメリカ国勢調査によると、コディアックの人口は6,324人で、その中で最も多い民族グループはヨーロッパ系（46.40%）で、次いでアジア系（31.73%）やネイティヴアメリカン（29.1%）がいます。多様な文化が共存しているこの街は、訪れる人々にさまざまな魅力を提供しています。

まとめ

コディアックは美しい自然環境や独自の文化、歴史的な背景を持った町です。また、軍事対策や先住民との関係も深く、訪れる人々にとって魅力的な観光地となっています。

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