コリントス同盟

コリントス同盟（コリントスどうめい）

コリントス同盟、あるいはヘラス同盟は、紀元前337年にマケドニア王フィリッポス2世によって設立されたギリシアの同盟です。この同盟は、カイロネイアの戦いでアテナイとテーバイの連合軍を破った後に結成され、スパルタ以外の全てのギリシアのポリスが参加しました。この同盟の主な目的は、マケドニア王国の南部ギリシアに対する支配を強化することにありました。

同盟の特徴と規約

コリントス同盟に加わる各ポリスは、自治権が認められる一方で、相互不可侵の平和条約が締結されました。ただし、現存の政治体制を変更することや、債務の帳消し、土地の再配分、さらに奴隷の解放は許可されないなど、いくつかの制約がありました。これは、マケドニアの戦略的な利益を守るためのものでした。

同盟の結成に伴い、ペルシア戦争での復讐を目的としてペルシア帝国への攻撃が決議され、各ポリスは兵士をマケドニア王国に派遣しました。これらの兵士たちは、同時に人質の役割も果たしました。

フィリッポス2世が暗殺された後は、息子のアレクサンドロス大王が盟主の地位を継承しました。アレクサンドロス大王はペルシア討伐に向けて東方遠征を開始し、グラニコス河の戦いでペルシア軍に勝利します。この戦いでは、敵軍の武具をアテナイのパルテノン神殿に献上し、さらにはペルセポリスの宮殿を炎上させるなど、ペルシアに対する復讐を果たしました。この期間中、ギリシア本土はマケドニアの軍事力のもとで平和を享受しました。

スパルタとの関係

コリントス同盟にはスパルタが参加しませんでした。フィリッポス2世はスパルタに加盟を促すため、脅しを伴った手紙を送りますが、スパルタは「もし」という短い言葉で応じ、実際の行動に移ることはありませんでした。この返答は、スパルタの強い自尊心を示すものであり、フィリッポスの威圧的な態度に屈しない姿勢を示しました。

アレクサンドロス大王の東方遠征と反乱

その後、アレクサンドロスの東方遠征の際、スパルタは再びマケドニア王国に対抗するために立ち上がります。スパルタ王アギス3世は、ペルシアの将軍と会談を重ね、同盟を結びつつ、ギリシアでのアレクサンドロス打倒を目指しました。ペルシア帝国はスパルタに対して軍資金を提供し、アギス3世は20,000を超える軍勢を率いて戦いを挑みます。

メガロポリスの戦いでは、アギス3世率いるスパルタ軍が緒戦で勝利を収めるものの、マケドニア軍の圧倒的兵力に押され、最終的には敗北を喫します。アギス3世は部下の安全を考え指示を出した後、敵軍に突撃し英雄的な死を遂げることになります。この戦いの結果、スパルタはコリントス同盟に強制的に参加させられました。

結論

コリントス同盟はアレクサンドロス大王の死後も続きましたが、やがてラミア戦争に至りました。ギリシアの歴史におけるこの同盟の重要性は、マケドニアの支配を支えるだけでなく、当時のギリシア諸都市間の関係や力の均衡にも大きな影響を与えた点にあり、今日でも研究の対象となっています。

もう一度検索