コルサコフ海戦

コルサコフ海戦について

コルサコフ海戦、またの名を宗谷沖海戦は、日露戦争当時の1904年に発生した海戦で、日本の巡洋艦「千歳」および「対馬」とロシア帝国の巡洋艦「ノヴィーク」が激突しました。この戦闘は日本海軍の戦略的な活動と、ロシア海軍の行動が絡んだ結果、行われました。

背景

「ノヴィーク」は、1904年8月10日に行われた黄海海戦に参加していた艦艇の一つでした。しかし、彼は旅順港に戻ることができず、仕方なくドイツ領の膠州湾租借地で石炭補給を受けることになりました。その後、彼は太平洋側を経由してウラジオストクへ向かう計画を立てます。

その途中、彼の動きは上海に向かうイギリスの船によって目撃され、上海の現地領事が大本営へその情報を報告しました。この情報は、現地司令官である東郷平八郎や上村彦之丞に伝えられ、彼らは「ノヴィーク」を捕らえるための作戦を変更しました。

日本艦隊の派遣

東郷は、防護巡洋艦「千歳」を派遣することを決定しました。「千歳」は当初、東シナ海方面の敵艦の捜索から戻る途中で、対馬の竹敷要港部に寄港予定でした。また、蔚山沖海戦の後、一度佐世保に戻る予定だった第二艦隊にも、「対馬」を派遣するよう命じました。この結果、両艦は合流せずに日本海経由で北海道方面へと向かいました。

戦闘の開始

19日の早朝、千島列島の望楼から「ノヴィーク」がオホーツク海へ向かう姿が発見され、「千歳」と「対馬」は宗谷海峡に向かうこととなりました。20日になると、「ノヴィーク」は石炭不足のため、サハリンのコルサコフ沖に停泊して石炭補給を試みます。16時頃、「対馬」が近づくと「ノヴィーク」は逃げようとしましたが、発見されて砲撃戦に突入しました。その結果、双方ともに浸水の損害を受け、退却を余儀なくされます。

「千歳」は応急修理を行う「対馬」に変わって、夜間の視認性が悪い中、港内へ向かうことを決断します。しかし、海図が不明瞭なため、港外で待ち伏せすることにしました。一方、「ノヴィーク」は逃げられないと判断し、浅瀬に乗り上げて乗員を脱出させます。次の日の夜明けを待たずに、「千歳」は港内に突入しましたが、既に「ノヴィーク」は脱出を終えていました。その後、「千歳」は「ノヴィーク」が再利用されることを防ぐために砲撃を加えました。

戦闘の影響

この戦いは、戦争の結果に直接的な影響をもたらしたわけではありませんが、ロシア海軍の重要な戦力を減少させる効果がありました。このことは日本側にとって、通商活動の安全を確保する上でも大きな意義があったのです。戦闘後、「ノヴィーク」は放置されましたが、日本が樺太を占領した後に引き揚げられ、修理を受けた後、日本海軍に編入され、「鈴谷」として活躍することとなります。

この海戦は、日露戦争における海軍の運用と戦略的制御の一端を示すものとして歴史的意義を持ちます。また、日本海軍の成長と発展の過程を理解するための重要なリンクとなっています。

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