コロンビア人

コロンビア人とは

コロンビア人とは、南アメリカに位置する多民族国家であるコロンビアの文化を共有し、コロンビア国籍を有する人々を指します。コロンビア人のルーツは多様で、ヨーロッパ人、アメリカ先住民、アフリカ人、アラブ人など、さまざまな民族が混ざり合っています。

民族構成

コロンビアの民族構成は非常に複雑です。以下に主な民族グループについて説明します。

先住民

コロンビアには、スペイン植民地化以前から多くの先住民が暮らしていました。現在も102のコミュニティが存在し、約150万人が先住民として生活しています。彼らは主に国のジャングル地域に居住しており、人口の約3%を占めています。主な先住民族としては、Wayuu族、Arhuacos族、Muisca族、Kuna族、Witoto族、Páez族、Tucano族、Guahibo族などが挙げられます。1991年に制定された憲法により、先住民の言語は特別保留地で公用語となり、彼らは民族の言語とスペイン語の両方を学ぶ教育を受けています。

メスティーソ

コロンビア人の約43%は、メスティーソ、つまりヨーロッパ人と先住民の混血です。これは、植民地時代にヨーロッパ人が移住し、先住民との間に生まれた人々の子孫です。

ヨーロッパ系

コロンビア人の約40%は、ヨーロッパにルーツを持つ人々です。その多くはスペイン系ですが、イタリア系、ドイツ系、フランス系、スコットランド系、アイルランド系、ベルギー系、オランダ系、スイス系、ギリシャ系、イギリス系、ポルトガル系など、さまざまなヨーロッパの民族が含まれます。また、20世紀後半から21世紀初頭にかけて、多くのヨーロッパ系アメリカ人がコロンビアに移住しました。さらに、第一次世界大戦、第二次世界大戦、冷戦中に、ポーランド人、リトアニア人、クロアチア人、ロシア人、ウクライナ人、アルメニア人、セルビア人などの少数民族コミュニティも移住しました。

アラブ系

コロンビアには、中東からのアラブ系の移民も多く暮らしています。彼らの多くは、オスマントルコ帝国の圧迫や経済難を逃れて、レバノン、ヨルダン、シリア、パレスチナから移住してきました。コロンビアには、約70万人のレバノン人の直接の子孫と、150万人のレバノン人の血を引く人々がいます。多くのアラブ系移民は、コロンビア社会に溶け込むために、名前をスペイン語風に改名しています。

アフリカ系

コロンビア人の約10%は、アフリカ系の黒人またはムラート（アフリカ人とヨーロッパ人の混血）です。彼らの祖先は、16世紀から19世紀にかけて奴隷としてコロンビアに連れてこられました。主に海岸沿いの低地に居住しています。

移民グループ

コロンビアは歴史的に移民が多く、特にカリブ海沿岸には多くの移民が生活しています。レバノン人、イタリア人、フランス人、ジプシーの子孫が多く、また、中国人、日本人、ロマ、ユダヤ人のコミュニティも存在します。近年では、ベネズエラからの移民も増加しており、首都ボゴタに多く住んでいます。

言語

コロンビアでは、101の言語が存在し、そのうち80の言語が実際に使われています。地域独自の言語を話す人は約50万人います。

教育

コロンビアの教育制度は、プレスクール、基本教育、中級職業訓練教育、高等教育の段階に分かれています。

プレスクール (Educación preescolar): 5歳まで
基本教育 (Educación básica): 1年生から9年生まで（小学校5年、中学校4年）
中級職業訓練教育 (Educación media vocacional): 10年生から11年生まで
高等教育 (Educación superior): 大学、専門学校、大学院など

基本教育と中級職業訓練教育を修了すると、ハイスクールディプロマ（bachiller）が授与されます。高等教育に進むには、Saber 11というテストに合格する必要があります。2012年の教育支出はGDPの4.4%でした。

宗教

コロンビア人の約90%はキリスト教徒であり、そのうち約70.9%がカトリック、約16.7%がプロテスタント（主に福音主義）です。その他、無神論者、不可知論者、エホバの証人、イスラム教、ユダヤ教、仏教、モルモン教、ヒンドゥー教、先住民の宗教、クリシュナ教、ラスタファリ運動、正教会などの信仰を持つ人々もいます。コロンビア憲法では宗教の自由と平等が保障されています。

まとめ

コロンビアは、多様な民族と文化が共存する国です。その歴史と多様性は、コロンビアという国の大きな特徴と言えるでしょう。

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