コンガリー国立公園

コンガリー国立公園は、アメリカ合衆国サウスカロライナ州に位置する国立公園で、約89平方キロメートルの広さを誇ります。この公園は、沖積層の低地に広がる広大な広葉樹の原生林を保護しており、アメリカ東部で最も高い部類に入る古代の低地広葉樹林の遺存を見ることができます。その中でも、特にラクウショウがよく見られるのが特徴です。公園内を流れるコンガリー川の氾濫原には、湿地林、泥炭地、クリーク、湖などが点在し、多様な生態系を育んでいます。

公園の約70％、およそ60.7平方キロメートルは、ウィルダネス地域に指定されており、手つかずの自然が残されています。2006年には134,045人の訪問者がありましたが、他の国立公園と比べるとまだ知名度が低いのが現状です。公園内は、多様な動植物が生息しており、動物では、ホオジロシマアカゲラ、ハクトウワシ、アメリカトキコウ、ツバメトビ、ズアカキツツキなどの鳥類、ラフィネスクウサギコウモリ、ナントウホオヒゲコウモリなどの哺乳類、オオヤマネコ、クロクマ、シカ、野生化したブタ、野犬、コヨーテ、シチメンチョウなどの大型動物が確認されています。また、水の中には両生類、キボシイシガメなどのカメ、ヘビ、アメリカアリゲーターといった爬虫類、ボウフィン、オオクチバス、パンフィッシュ、ナマズ、カワカマスなどの多様な魚類が生息しています。

一方で、イノシシ、イボタノキ属、アシボソ、クズ、シナフジ、カニクサなどの外来種が侵入し、生態系への脅威となっています。公園では、原始的なキャンプも可能で、ハイキングコースや、セダー・クリークには32.2kmのカヌー用水路も整備されています。

コンガリー国立公園は、もともとシエラクラブによる原生林保護運動から始まりました。1969年に始まったこの運動の結果、1976年にコンガリー沼国定史跡として設立され、1983年にはユネスコの生物圏保護区に登録されました。その後、1988年にウィルダネス地域指定、2001年に重要野鳥生息地指定を経て、2003年に国立公園へと昇格しました。さらに、2012年にはラムサール条約登録地となっています。

しかし、国立公園としてのサービス体制はまだ十分ではなく、ほとんどの訪問者は、繊細なキノコ類や植物を保護している沼沢地を通るボードウォーク・ループを散策します。毎週日曜日には沼を巡るボートツアーも運航されています。

コンガリー国立公園は、原生林の美しい景観と豊かな生態系を体験できる一方で、未開発な部分も多く残されています。そのため、手付かずの自然を求める人々には魅力的な場所と言えるでしょう。この公園は、自然保護の重要性を改めて認識させてくれる場所でもあります。

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