コンゴ・ザイール解放民主勢力連合

コンゴ・ザイール解放民主勢力連合（AFDL）とは

コンゴ・ザイール解放民主勢力連合（Alliances des Forces Democratiques pour la Liberation du Congo-Zaïre, AFDL）は、1990年代後半のザイール（現在のコンゴ民主共和国）において活動した反政府勢力です。ローラン・カビラを議長とし、ルワンダとウガンダの支援を受け、モブツ・セセ・セコ政権を打倒しました。

成立の背景

AFDLの成立には、ルワンダ紛争が深く関わっています。1994年のルワンダ虐殺後、大量のフツ難民がザイール東部に流入しました。その中には、虐殺に関与した旧ルワンダ軍やインテラハムウェも含まれており、ルワンダ民主連合 (RDR) を結成し、ルワンダへの反攻を企てていました。

ルワンダを掌握したポール・カガメ大統領は、モブツ政権や国際機関による難民支援が、反政府勢力への支援につながっていると非難し、ザイールへの侵攻を決意します。そして、コンゴに居住するツチ系のバニャムレンゲを組織し、ローラン・カビラを議長に据え、ウガンダのヨウェリ・ムセベニ大統領にも介入を促しました。

第一次コンゴ戦争

ローラン・カビラ率いるAFDLは、ルワンダとウガンダの支援を受け、1996年に第一次コンゴ戦争を開始しました。AFDLは着実に勢力を拡大し、1997年5月には首都キンシャサを制圧、モブツ政権を崩壊させました。モブツは国外へ逃亡し、カビラが大統領に就任、国名をコンゴ民主共和国に変更しました。

その後

政権を掌握したカビラは、AFDLを新国軍としましたが、ルワンダの影響力が強いことへの批判が高まりました。カビラは、AFDLの主力であったバニャムレンゲを政権から排除し始めます。これに対し、バニャムレンゲ勢力は反カビラに転じ、コンゴ民主連合 (RDC) などを結成し、第二次コンゴ戦争を引き起こしました。AFDLは内紛により弱体化し、1999年に解散しました。

まとめ

コンゴ・ザイール解放民主勢力連合（AFDL）は、ローラン・カビラを議長とする反モブツ勢力として、第一次コンゴ戦争で政権を奪取しました。しかし、その後の内紛と周辺国の思惑が絡み合い、短命に終わりました。AFDLの活動は、コンゴ民主共和国の不安定化に大きな影響を与え、現在もその影響は残っています。

コトバンク - 『コンゴ・ザイール解放民主勢力連合』

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