コンテスト (アマチュア無線)

アマチュア無線コンテストとは

アマチュア無線におけるコンテストは、規定時間内により多くの局と交信することで得点を競い合う競技です。ARDFやフォックスハンティングと並び、ラジオスポーツ（Radiosport、無線競技）の一種とされています。

概要

コンテストは、各国のアマチュア無線団体やクラブ、出版社などが主催して実施されます。上位入賞を目指すアマチュア無線家も多く、そのルールはコンテストごとに大きく異なります。

多くのコンテストに共通するルールは以下の通りです。

CQ呼出し: 電話では「CQ コンテスト」、電信では「CQ TEST」を用います。規模の小さいコンテストでは、CQの後にコンテストの略称を付けることが推奨または義務付けられる場合があります。
コンテストナンバー: RSTコードとともに、コンテストナンバーと呼ばれる英数字を交換します。コンテストナンバーはコンテストごとに異なり、運用場所や空中線電力などを記号化したものが用いられます。
得点: 移動運用や特定の周波数帯での交信は、得点が高くなる場合があります。多くの場合、コンテストナンバーがマルチプライヤーとなり、交信局数 × マルチプライヤーが総得点となります。
重複交信: 同一コンテスト中、同一局との交信は同一バンドで1回限りしか得点として認められません。
時間: 国内向けコンテストは24時間、国際的なコンテストは48時間が多いですが、短いものでは3時間程度、長いものでは1ヶ月に及ぶものもあります（マラソンコンテスト）。
ログ提出: 交信記録（ログ）を主催者に提出することで参加となります。近年では電子媒体やインターネットによる提出が普及しています。
失格: 得点として計上した重複交信や相手コールサインの誤りなどが規定比率を超えると、減点や失格の対象となります。

禁止事項

コンテストでは、以下の行為が禁止されています。

コンテスト用周波数からの逸脱
レピーター（中継局）による交信（レピータを使用するコンテストもあります）
クロスバンド交信（送信周波数と受信周波数が異なる交信）
運用場所の変更（コンテストナンバーに変化のない範囲での移動は認められる場合があります）

戦略

時間内にできる限り多くの無線局と交信するため、コンテストナンバーとコールサイン以外の要素はできる限り省略するなど、効率化が求められます。

高得点を得るための戦略としては、以下のようなものが挙げられます。

運用するバンドをできるだけ多くする
電波の飛びやすい場所に移動する
録音・再生機能があるマイクや電鍵を用いる
未交信の地域を狙ってアンテナを向ける
社団局の場合は交代要員を配置する（マルチオペレーション）

審査

ほぼ全てのコンテストでログの審査が行われます。電子提出により、「交信者双方のログの内容が一致した場合に得点を与える」という形式のコンテストも登場しています。

コンテストによっては、入賞した無線局に対してコンテスト中の録音データや生のログデータを求める場合があります。

その他

入賞者には表彰状や副賞が贈られることがあります。また、コンテストに協賛する個人や団体からの寄付により表彰種目を設ける「コンテストドナー制度」を設けているコンテストもあります。

主なコンテスト

日本国内対象のコンテスト

JARL ALL JAコンテスト
JARL Field Dayコンテスト
JARL全市全郡コンテスト
JARL HFコンテスト

上記の4つは参加者数が多く、JARL四大コンテストとも呼ばれます。このほか、JARLの地方本部・支部や各アマチュア無線クラブ等がそれぞれ特徴的なコンテストを主催しています。

全世界規模のコンテスト

CQ World Wide DX Contest
CQ World-Wide WPX Contest
ARRL DX
IARU HF Championship
JAPAN INTERNATIONAL DX CONTEST

このほか、各国のアマチュア無線連盟やアマチュア無線クラブがそれぞれ特徴的なコンテストを主催しています。

コンテストに類する行事

得点を競うものではありませんが、コンテストと類似する内容の交信が行われる行事として、以下のようなものがあります。

QSOパーティー（ニューイヤーパーティー）
* デジタルQSOパーティー

また、非常通信訓練もコンテストと同様にレポートを交換し、ログを提出する形で行われることがあります。

アマチュア無線コンテストは、無線技術の向上や局間の交流を深めるための貴重な機会です。ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

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