コント55号の野球ケン!!

番組概要

『コント55号の野球ケン!!』（コントごじゅうごごうのやきゅうケン）は、1969年11月26日から1970年4月1日まで、日本テレビ系列局で毎週水曜日の21時00分から21時30分に放送された、日本テレビ制作のカラーバラエティ番組です。人気お笑いコンビ、コント55号（萩本欽一、坂上二郎）が司会を務め、公開収録形式で日本各地の公会堂を巡りながら制作されました。

内容と特徴

番組の核となる企画は、司会のコント55号のどちらか一人と、毎回迎えられる女性ゲストとの間で行われる「野球拳」でした。これは、同時期の毎週日曜20時00分枠で放送されていた、同じくコント55号が司会を務める人気番組『コント55号の裏番組をぶっとばせ!』における名物コーナー「野球拳」と全く同じルール、形式で展開されました。

この野球拳で敗れたゲストが脱衣した衣装は、その場で観客を巻き込んだオークションにかけられるという、当時としては非常に斬新で刺激的な内容を含んでいました。観客たちは、ゲストが着用していた実際の衣装を競り落とす機会を得ることで、番組への参加感を高めました。

反響と終焉

放送開始からわずか1ヶ月余りが経過した1969年12月31日には、年末の大晦日にもかかわらず通常通り放送されました。これは、同時間帯にNHK総合で放送されていた国民的な人気番組『第20回NHK紅白歌合戦』に対抗するための、日本テレビの編成戦略の一つであったとされています。

番組はその内容から、外部の番組審議会からは批判の声が上がった一方で、局内には番組の継続を求める意見も存在したと言われています。しかし、最終的には1970年4月の番組改編に伴い、わずか5ヶ月という比較的短い期間で放送を終えることとなりました。

後継企画への影響

『コント55号の野球ケン!!』の終了後、日本テレビの番組で野球拳企画が本格的に取り上げられることは長らくありませんでした。しかし、その系譜は途絶えたわけではなく、約24年後の1993年12月31日に放送された日本テレビの年越し特別番組『スーパー電波バザール 年越しジャンボ同窓会』の中で、人気お笑いコンビ・ダウンタウンが司会を務めるコーナー企画として野球拳が復活を果たしました。

翌年の1994年12月31日には、この企画がさらに発展し、『ダウンタウンの裏番組をブッ飛ばせ!!』と題された単独の年越し特別番組として放送されました。この番組では、放送時間の大部分を使って野球拳が繰り広げられましたが、さらにその翌年の1995年12月31日に放送された同特番の第2回『裏番組をブッ飛ばせ!!'95大晦日スペシャル』を最後に、日本テレビにおけるダウンタウン司会の野球拳企画は再び幕を閉じました。この最終回には、ダウンタウンは裏番組出演のため参加していません。

主なゲスト出演者

短期間の放送ながら、様々なジャンルの女性タレントを中心に、時には男性ゲストも登場しました。主な出演者としては、山口火奈子、ちあきなおみ、麻生れい子、応蘭芳、村田英雄、三遊亭歌奴、Wけんじらが記録に残っています。

『コント55号の野球ケン!!』は、その独特な企画内容と時代の空気を反映した演出で、短い期間ながらも当時の視聴者に強い印象を残した番組と言えるでしょう。

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