コーン諸島

カリブ海の楽園、コーン諸島の歴史と魅力

コーン諸島は、ニカラグアのカリブ海に位置する美しい珊瑚礁の島々です。大小の二つの島からなり、その豊かな自然と歴史が観光客を魅了しています。

コーン諸島の歴史

発見と初期の歴史

1502年頃、クリストファー・コロンブスによって発見されたコーン諸島には、先住民のククラ族が居住していました。彼らは人食いの習慣を持つとも言われ、島に住み着いた海賊からは「スケルトンアイランド」と呼ばれていました。スペイン人は島を「マングラレス島」と呼び利用しましたが、植民地化はしませんでした。

海賊とミスキート族の時代

その後、イギリス、フランス、オランダの海賊や、彼らと貿易をしていたミスキート族が島の安全な避難所として利用するようになります。ククラ族は海賊やミスキート族に支配され、奴隷にされるなどして島から姿を消しました。

イギリスの保護領時代

1655年、コーン諸島はイギリスの保護領となり、海賊の巣窟となりました。1697年頃には、ジャマイカから来たイギリスのピューリタンが黒人奴隷を連れて入植し、徐々にイギリスの影響下に入っていきます。入植者の一部は、ニカラグア東海岸地域やベリーズにも移住しました。

奴隷解放とクレオール文化の形成

1841年、イギリス領ホンジュラスの監督官アレクサンダー・マクドナルド大佐が艦隊を率いてコーン諸島に上陸し、黒人奴隷を解放しました。これを記念して祝賀会が開かれ、イギリス人入植者と黒人奴隷との混血が進み、コーン諸島独自のクレオール文化が形成されていきました。

ニカラグアへの編入とアメリカの租借

1894年、ニカラグア政府がコーン諸島の主権を宣言し、強制的にニカラグア東部の一部に編入しました。島のイギリス人指導者は追放され、支持者と共にイギリス艦隊に救出されました。その後、1914年のブライアン・チャモロ条約により、アメリカ合衆国がコーン諸島の99年間の租借権を獲得し、アメリカの領土となりました。

アメリカの租借と返還

アメリカはコーン諸島を海軍基地として開発しましたが、パナマ運河地帯が安定していたため、次第にその必要性は薄れていきました。1970年、アメリカ大統領リチャード・ニクソンはブライアン・チャモロ条約を廃止し、1971年にコーン諸島はニカラグアに返還されました。

コーン諸島の概要

コーン諸島の名前の由来は、海賊が肉を保管していたスペイン語の「カルネ（Carne）」を、イギリス人が「コーン」と発音したためと言われています。ビッグ・コーン島の面積は10km2、リトル・コーン島は2.9km2です。人口のほとんどはビッグ・コーン島に集中しており、約8,000人、リトル・コーン島には約250人が住んでいます。

島の住民は黒人系が多く、インディオや海賊の子孫との混血であるクリオーリョもいます。公用語はスペイン語ですが、19世紀のイギリス統治時代の名残で英語やパトワ語も広く話されています。

産業と観光

かつてはパーム油の生産が盛んでしたが、1988年のハリケーンでヤシの木が壊滅的な被害を受けました。現在はロブスターなどの漁業が主な産業となっています。美しい珊瑚礁の海はニカラグアのカリブのリゾート地として注目されており、観光開発が進められています。ビッグ・コーン島には空港があり、アクセスも便利です。

コーン諸島は、その歴史と文化、そして美しい自然が織りなす魅力的な島です。カリブ海の楽園で、忘れられないひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。

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