サウロ級潜水艦

ナザリオ・サウロ級潜水艦

ナザリオ・サウロ級潜水艦（イタリア語: Sommergibili Classe Nazario Sauro）は、イタリア海軍に所属する潜水艦の艦級であり、現在も運用が続いています。この艦級は、従来のエンリコ・トーチ級潜水艦の後継として設計され、合計8隻が建造されました。

造船と就役

最初の4隻は1972年から1976年にかけて発注され、1979年から1982年にかけて順次就役しました。これらの潜水艦は、海軍にとって新たな技術と運用能力を提供することを目的としており、海洋での作戦能力を向上させるために設計されています。その後、1990年から1993年にかけて近代化改修が実施され、バッテリーや補機の更新に加え、乗組員の居住性が改善されました。

1983年と1988年には改良型の艦が発注され、1988年から1995年にかけて就役しました。この改良型は、改サウロ級やサルヴァトーレ・ペロシ級とも呼ばれ、設計上の特長にいくつかの変更が加えられました。具体的には、排水量の増加、HY80高張力鋼の多用によって常用潜航深度300m、最大潜航深度600mを実現しています。

テクニカルな進化

後期に発注された艦の中には、遮音タイルの装着や上構の延長、測距ソナー用突起の廃止などの設計変更が施されており、外観にも変化が見受けられます。また、2004年末までには音響センサーなどの近代化改修が行われ、技術的なパフォーマンスが向上しています。

初期に就役した4隻はすでに退役しており、これに代わって212A型潜水艦が導入されています。さらに、改サウロ型の後継艦である212NSF型が建造中で、2031年までに就役する予定です。

武装と運用

ナザリオ・サウロ級潜水艦は、アメリカ製のハープーンUSMを搭載していないものの、2024年までの計画では7、8番艦については搭載を検討中です。この艦級は、戦略的な任務を遂行するための設備や能力が搭載されており、今後の運用においても重要な役割を果たすことが期待されています。

同型艦の建造

ナザリオ・サウロ級に属する全艦は、イタリアのモンファルコーネ造船所で建造されました。これは、この地域が潜水艦建造において伝統的な拠点であることを示しています。

ナザリオ・サウロ級潜水艦は、その技術的な進化やデザインの独自性が注目される艦級であり、今後もイタリア海軍における重要な資産として位置づけられるでしょう。

もう一度検索