サウード・ビン・アブドゥルアズィーズ

サウード・ビン・アブドゥルアズィーズ・アール・サウード

サウード・ビン・アブドゥルアズィーズ・アール・サウード（Saud bin Abdulaziz Al Saud, 1902年1月12日 - 1969年2月23日）は、サウジアラビアの第2代国王（在位: 1953年 - 1964年）。ワッハーブ派イマームとしてはサウード4世、サウジアラビア国王としてはサウード1世と称されます。

生涯

初代国王アブドゥルアズィーズ・イブン・サウードの次男として、サウード家が亡命していたクウェートで誕生しました。彼の誕生の知らせが祖父から父に伝えられた日、父はリヤド奪還に成功したとされています。

18歳からアラブ各地の戦闘に参加し、1924年から1925年にかけて父がヒジャーズ王国へ出兵した際には、父の名代としてリヤドを統治しました。1930年にはナジュド知事に任命されています。兄のトゥルキーが1919年にスペイン風邪で早世したこともあり、ヒジャーズ・ネジド王国が1932年にサウジアラビア王国と改称した翌年の1933年、サウジアラビア王国の王太子に指名されました。

1953年に父王の逝去に伴い即位。在位中はサウジアラビア国家警備隊を編成するなど、国家の安定に尽力しました。しかし、健康状態が悪化したため、1964年に弟のファイサルに王位を譲りました。1969年、療養先のギリシャ・アテネで崩御。

人物

サウードはベドウィンからの支持が厚く、また、外国語を全く話せないことを誇りとしていました。しかし、晩年は堕落し、多くの女性を集めたハレムや高級車キャデラックに溺れたと伝えられています。

また、インド総督府に勤務後、1930年にイスラム教に改宗したジョン・フィルビー（父王の顧問）とは不仲であり、1955年4月には彼を国外追放しました。しかし、レバノンの財界人フサイン・アル＝ウワイニーらが、サウードの弟であるファイサルやアブドゥッラーの協力を得てサウードを説得。その結果、1956年11月にはフィルビーは年2160英ポンドの手当付きでサウジアラビアへの帰国を許されました。

参考文献

ジャック・ブノア=メシャン『砂漠の豹イブン・サウド』牟田口義郎・河野鶴代訳、筑摩書房
ジョン・フィルビー『サウジアラビア王朝史』岩永博・富塚俊夫訳、法政大学出版局

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