サザーク駅

ロンドン地下鉄サザーク駅：光と歴史が交差する地下空間

サザーク駅は、ロンドン中心部サザーク特別区に位置する、ロンドン地下鉄ジュビリー線の駅です。1999年11月20日、ジュビリー線延伸線の一部として開業し、ロンドン地下鉄の中でも最も新しい駅の1つに数えられます。トラベルカード・ゾーン1に属しており、テムズ川南岸、Blackfriars RoadとThe Cutという通りの交差点の北西側に位置する地下駅です。

この駅は、ナショナル・レールのウォータールー・イースト駅と地下通路で直結しており、利便性が高いのも特徴です。ウォータールー・イースト駅から地上を西へ伸びる鉄道線路の地下に、東西に延びるホームが設置されています。駅名とは裏腹に、歴史的なサザーク地区からはやや離れており、最寄りの地区はボロ駅周辺となります。

複雑な地盤と斬新な駅構造

サザーク駅は、建築家Richard MacCormac率いるMacCormac Jamieson Prichardによって設計されました。駅建設における最大の課題は、ヴィクトリアン時代の鉄道陸橋（ウォータールー・イースト駅とロンドン・ブリッジ駅を結ぶ）の真下にホームを建設せねばならないという、非常に限られた空間でした。

この制約を克服するため、駅は上下2層のコンコース構造となっています。下層コンコースはホームの両端に繋がっており、ガラスと鉄の「ビーコン」で照らされたシンプルなトンネル状の空間です。内壁には、あえて磨かずに仕上げられたステンレスパネルが使用されています。このコンコースから、狭いチューブ状のエスカレーターで、上層の中間コンコースへと移動します。

中間コンコースは、高さ16メートルにも及ぶ壮大な空間です。ガラス屋根から光が差し込み、地下深くまで明るく照らされています。長さ40メートルの中央には、660枚の特注青色ガラスを用いた、芸術家Alexander Beleschenkoによる壮大なガラスの壁が設置されています。この壁は、サザーク駅の象徴的なデザイン要素であり、数々の賞を受賞しています。

MacCormac自身によると、この中間コンコースと下層コンコースのデザインは、19世紀のプロイセンの建築家、カール・フリードリヒ・シンケルの設計から着想を得ているとのことです。中間コンコースの一方は駅舎、もう一方はウォータールー・イースト駅に繋がっています。駅舎は、将来的な商業開発を見据え、比較的低層に設計されています。

文化施設に囲まれたロケーション

サザーク駅の周辺には、グローブ座、ヤング・ヴィック・シアター、オールド・ヴィック・シアターといった著名な劇場や、テート・モダンなどの美術館が位置しています。そのため、文化的なイベントや観光にも便利な立地と言えるでしょう。ロンドンの活気ある文化に触れたい観光客にとっても、魅力的な拠点となるでしょう。駅自体も、その近代的なデザインと、地下深くまで届く光が創り出す独特の空間は、乗客に忘れがたい印象を与えます。ロンドンの地下深くにある、光り輝くオアシスと言えるかもしれません。

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