サテライトNo.1

『サテライトNo.1』とは

『サテライトNo.1』は、中国放送（RCCラジオ）が制作し、放送していた伝説的な公開ラジオ番組です。家電販売店の第一産業（現在のエディオン広島本店）のサテライトスタジオから公開生放送されました。この番組は、広島初のサテライトスタジオからの放送という画期的な試みであり、地域で絶大な人気を誇りました。

番組の誕生と変遷

番組は、第一産業の創業25周年を記念して1972年5月7日に『サテライトX』という仮題でスタートしました。一般公募により『サテライトNo.1』というタイトルが決定し、日曜日の夕方に放送されていました。当初は1時間番組でしたが、最終回は90分のスペシャル版で放送されました。

タイトルの「No.1」は、第一産業（デオデオの旧社名）の「第一」に由来しています。この番組は、家電販売促進の一環として電通と企画され、RCCアナウンサーだった柏村武昭氏が起用されました。当初は木造の本店2階に簡易的なスタジオが設けられましたが、1975年に新本店がオープンした際に7階に本格的なイベント会場が設置されました。

パーソナリティと番組の特色

パーソナリティは柏村武昭氏が務め、そのユーモアあふれる語り口が人気を集めました。アシスタントには一般公募で選ばれた女子大生や主婦などが参加し、後に林竹洋子さんが長年務めました。番組には、松村邦洋さんや村下孝蔵さんなど、多くの著名なゲストも出演しました。

番組の成功の要因の一つは、聴取率の高さにありました。1982年には24.0%というRCCのラジオ番組史上最高の聴取率を記録しました（野球中継を除く）。また、ダイイチの店舗拡大に合わせてネット局も増え、広島だけでなく中国・四国地方各地で親しまれました。

番組では、『痛快! 赤ヘル音頭』や『サテライトNo.1』のレコードを制作・販売したり、番組本を出版したりするなど、多角的な展開が行われました。特に人気を集めたコーナーは「コント小話」で、最終回ではその総集編が放送されました。テーマ曲はジンタージンマーマンの「ソウルフィンガー」でした。

復活とその後

1995年には『柏村・やすべえのサテライトNo.1』として1年間復活放送されました。また、2022年にはRCCラジオの開局70周年記念特番内で1日限りの復活特番が放送され、多くのファンを喜ばせました。番組終了後も、RCCラジオの日曜17時台は、ダイイチ提供の『ニンニキ日曜500』など、中国・山陽地方のネット番組枠として受け継がれました。

コーナーとネット局

番組には、「コントこばなしコーナー」や「ピンとポンとコント」など、バラエティ豊かなコーナーがありました。これらのコーナーではがきが採用されたリスナーには、オリジナルグッズがプレゼントされました。

ネット局は、中国放送のほか、山口放送、山陰放送、南海放送、山陽放送などがありました。また、九州朝日放送でも放送された時期がありました。一部地域では、ナイターオフ編成時に不定期で放送されました。

関連番組

同時期に柏村武昭氏がDJを担当していたFM東京系列の『サンスイ ベスト・リクエスト』も、番組の人気を支える要素の一つでした。


『サテライトNo.1』は、地域に根ざしたラジオ番組として、多くのリスナーに愛され、今もなお語り継がれる伝説的な番組です。

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