サニーズヘイロー

サニーズヘイロー：カナダが生んだケンタッキーダービー王者

サニーズヘイロー (Sunny's Halo、1980年2月11日 - 2003年6月3日) は、カナダのサラブレッド競走馬にして、後に成功した種牡馬として名を馳せました。その最大の功績は、1983年のケンタッキーダービー制覇。カナダ産馬としてはノーザンダンサー以来、実に2頭目となる快挙でした。さらに、アーカンソーダービー優勝馬がケンタッキーダービーを制したのは、サニーズヘイローが史上初という歴史的瞬間でもありました。

出自と育成

サニーズヘイローは、トロントの株式仲買人デイヴィッド・J・フォスターが所有するオンタリオ州オシャワの牧場で誕生しました。父は名種牡馬ヘイロー、母はフォスターが所有し、6勝を挙げた活躍馬モストリーサニーです。母馬の調教師であったデイヴィッド・クロス・ジュニアが、この配合を提案した逸話も残っています。サニーズヘイローは、父譲りの才能と母譲りのスタミナを併せ持ち、将来を嘱望されるサラブレッドとして成長していきました。

競走馬としての経歴

1982年5月、ウッドバイン競馬場でのデビュー戦を勝利で飾ると、2歳シーズンは11戦7勝という素晴らしい成績を残しました。しかし、両前肢の疲労骨折により、シーズン途中で休養を余儀なくされます。それでも、その年のソヴリン賞最優秀2歳馬に輝き、将来への期待をさらに膨らませました。休養中は、当時最先端の治療法であったハリウッドパークの屋内プールでの療養で、怪我の回復に励みました。

3歳になり、ケンタッキーダービーを目指すサニーズヘイローは、オークローンパーク競馬場のレベルハンデキャップとアーカンソーダービーに出走。両レースを圧勝し、その実力を改めて証明しました。そして迎えたケンタッキーダービーでは、エディー・デラフーセイ騎手との見事なコンビネーションで、1番人気のトータルディパーチャーらを抑え、見事優勝を掴み取りました。2着馬デザートワインに2馬身差をつける圧巻の勝利でした。

しかし、ダービー制覇の喜びも束の間、サニーズヘイローは発疹と飛節の痛みを再発させます。そのため、プリークネスステークスやアーリントンクラシックでは思うような結果を残せず、カナダの最重要競走であるクイーンズプレートへの出場も叶いませんでした。それでも、スーパーダービーでは12馬身差という圧倒的な強さで勝利し、ルイジアナダウンズ競馬場10ハロンのレコードタイ記録を樹立しました。しかし、飛節の問題が再発したため、1983年11月のメドウランズカップを最後に引退することになります。

種牡馬としての成功

750万ドルという高額でシンジケートが組まれたサニーズヘイローは、ケンタッキー州レキシントンのドミノ牧場で種牡馬としてのキャリアをスタートさせました。その後、ウォルマック牧場、テキサスの牧場へと移籍し、ブラジルへのシャトル種牡馬としても活躍しました。テキサス州ではリーディングサイアーにも輝き、種牡馬としても大きな成功を収めました。2003年にテキサス州で死亡した後、遺骸はケンタッキーダービー博物館に再埋葬されました。アメリカジョッキークラブによると、サニーズヘイローの産駒1009頭のうち506頭が勝ち上がり、36頭がステークス競走を制覇しています。その中には、ウッドワードステークス（G1）勝ち馬のディスパーサル、サンタマリアハンデキャップ（G1）勝ち馬のレースザワイルドウィンド、ウッドメモリアルステークス（G1）勝ち馬のイルグンなど、数々の活躍馬が名を連ねています。

サニーズヘイローは、競走馬として、そして種牡馬として、サラブレッドの歴史にその名を刻んだ偉大な馬でした。その活躍は、今もなお人々の記憶に鮮やかに残っています。

もう一度検索