サラバンド

サラバンド

サラバンド（フランス語: sarabande、イタリア語: sarabanda）は、3拍子による荘重で格式のある舞曲です。この楽曲は、アルマンド、クーラント、ジーグと共にバロック音楽の組曲を形成しており、特に魅力的な存在として知られています。

特徴

サラバンドのリズムは、特に小節の中で2拍目と3拍目が組み合わさることが特徴です。具体的には、4分の3拍子の場合、二分音符に代わって付点四分音符と八分音符が組み合わさるリズムがしばしば使われます。このリズムは、舞踊における引きずるような動きに関連していると言われています。そのため、サラバンドの荘重なリズムは聴取者にとって非常に印象深く、再認識しやすいのです。

サラバンドには他にも顕著な特徴があります。これには、次のような要素が含まれます：

• - 重厚な3拍子のリズム：多くの場合、2分の3拍子で演奏される。
• - 構造：4小節単位の小楽節が2つ集まって8小節分の大楽節になることが一般的。
• - アウフタクト：楽曲の開始小節に先立って、しばしばアウフタクトが設けられる場合がある。

歴史

起源

サラバンドの歴史は非常に興味深いもので、最初にその存在が記録されたのは中央アメリカにおいてです。具体的には、1539年にフェルナンド・グスマン・メヒアがパナマで執筆した詩の中に、「サラバンダ（zarabanda）」という名のダンスが言及されています。このダンスはスペインの植民地で人気を博し、後に大西洋を越えてスペインにも広まりました。

しかし、スペインではその猥褻性から1583年にフェリペ2世によって禁止されました。その場合の刑罰は、男に対しては6年間のガレー船漕ぎ作業、女に対しては王国からの追放、さらには鞭打ち200回と非常に厳しいものでした。それでも、この時代の作家たち、例えばセルバンテスやロペ・デ・ヴェガの作品には、サラバンドに関する言及が多く見受けられます。

バロック音楽

サラバンドの音楽について最も初期の記録は、17世紀初頭のイタリアのギター音楽に見られます。当初は和声の定型が特徴でしたが、17世紀半ばになるとリズムが重要な要素となりました。イタリアの盛期バロックにおいては、アレグロやプレストといったテンポの楽曲が一般的でしたが、サラバンドは遅いテンポの舞曲として位置づけられ、フランスにおいて情緒的で優美、または荘重な曲調へと発展しました。その後、17世紀にはリュートやクラヴサンのための作品が数多く作られ、バロック音楽の組曲に欠かせない舞曲としての地位を確立しました。

さらに、劇場音楽の中でもサラバンドの使用は頻繁で、特にイギリスにおいてはイタリアとフランスの両方の特徴が見られる一方で、ドイツでは主にフランスのスタイルに倣った遅い舞曲として扱われました。

近代音楽

19世紀の終わり以降、近代音楽界ではバロックへの回帰や新古典主義的なスタイルの流行が見られ、サラバンドもその影響を受けて復活しました。具体的な例としては、グリーグの『ホルベアの時代から』（1884・85年）、サティの『3つのサラバンド』（1887年）、ドビュッシーの『ピアノのために』（1894-1901年）などがあります。これらの作品を通して、サラバンドは新たな表現方法で再解釈され、現代音楽シーンでも重要な位置を占めています。

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