サロベツ川

サロベツ川の概要

サロベツ川（さろべつがわ）は、北海道宗谷総合振興局が管轄する天塩川水系の一級河川です。この川は、自然環境やアイヌ文化に密接に関連しています。

名称の由来

この川の名称はアイヌ語に由来しています。「サㇻオペッ（sar-o-pet）」または「サㇻオマペッ（sar-oma-pet）」、または「サㇻペッ（sar-pet）」という言葉が、いずれも「芦原にある川」という意味を持つことから、豊富町にある芦川の地名はこの解釈からきていると考えられています。

地理的特徴

サロベツ川は北海道の天塩郡豊富町の東部、宗谷郡猿払村との境界に位置する幌尻山の南から発源し、その後北西に流れます。特に豊富町の北部では流れが南に大きく変わり、サロベツ原野を蛇行しながら進みます。最終的には、幌延町と天塩町の境目で天塩川に合流します。

川の水深はおおよそ5メートルで上流まで維持されており、特に合流点付近では浅くなる場所があります。この地点の川底の標高は海面より低く、高塩分水塊が形成される環境が整います。サロベツ川は天塩川と11.6から11.8キロメートルの距離を置いて流れ出ています。

塩水の遡上

サロベツ川の下流部では、満ち潮の際に天塩川から塩分を含む水が逆流します。この現象により、川の水は高塩分・低塩分・中塩分水塊という三層構造に分かれます。海水は淡水よりも重いため、上層が低塩分、その下が中塩分、川底近くには高塩分の水が存在するのです。

この高塩分水塊は上流に向かって7キロメートルの音類橋地点で消滅し、以降は合流点から約10キロメートルのパンケ沼入り口にかけて低塩分と中塩分の2層が形成されます。

災害の影響

2018年3月には、融雪期を迎え上流から大量の水が流れ込む一方で、下流部では氷が河道をふさぎ、これにより一部が閉塞しました。その結果、氾濫が発生し、周辺の牧草地が水没するなどの甚大な被害を引き起こしました。

流域内の自治体と支流

サロベツ川の流域には、豊富町、稚内市、幌延町の3つの自治体があります。また、以下の支流が存在します：

• - 目梨別九線川
• - 幌加川
• - 兜沼川
• - 清明川
• - 下エベコロベツ川（ペンケ沼を含む）
• - パンケオンネベツ川（パンケ沼を含む）
• - オンネベツ川

これらの情報は、サロベツ川の多様な側面を理解するために重要な要素です。川の自然環境や地域の歴史、さらには災害に関する情報は、我々がこの貴重な資源をどのように守り、利用していくべきかを考える上でも重要なヒントを与えてくれます。

もう一度検索