サロミナ

サロミナ：ドイツオークス女王から名繁殖牝馬へ

2009年2月22日、ドイツで生まれたサロミナは、競走馬として華々しいキャリアをスタートさせました。デビューは2012年5月、ケルン競馬場で行われたレースでした。その後見事3連勝を果たし、ハンブルク牝馬賞で重賞初制覇を飾ります。勢いに乗るサロミナは、4戦目のディアナ賞（ドイツオークス）へ挑戦。アンドレアシュ・シュタルケ騎手の騎乗停止により、代役として騎乗したフィリップ・ミナリク騎手との初コンビで、2着馬に3馬身半もの差をつけて圧勝。無傷の4連勝でG1タイトルを獲得するという快挙を達成しました。

この活躍を受け、サロミナは当初オーストラリアン・ブラッドストックへの売却が決定していました。しかし、独オークスでの勝利後、ノーザンファーム代表の吉田勝己氏からさらに高額な購入申し出があり、交渉の結果、同年9月10日にノーザンファームへの移籍が決定しました。

しかし、ノーザンファーム所属後最初のレースとなったヴェルメイユ賞では9着と大敗。その後、現役を引退することとなりました。

繁殖牝馬としての成功

現役引退後は、日本のノーザンファームで繁殖牝馬として第二のキャリアをスタートさせました。その繁殖成績は目覚ましく、数々の活躍馬を輩出しています。

初仔のサロニカ（父：ディープインパクト）はエルフィンステークスの優勝馬。2番仔のサラキア（父：ディープインパクト）は、サロニカの全妹にあたる馬で、2020年の府中牝馬ステークスを制覇、さらにエリザベス女王杯と有馬記念で2着に入るなど、高い競走能力を示しました。

そして、サロミナの繁殖牝馬としての真価を示したのが、4番仔のサリオス（父：ハーツクライ）です。サリオスは2019年10月5日に行われたサウジアラビアロイヤルカップをレコードタイムで制し、産駒として初の重賞勝利をサロミナにもたらしました。さらに、同年の朝日杯フューチュリティステークスでもレコードタイムでの勝利を収め、G1競走初制覇という偉業を達成しました。

サロミナの産駒たちは、その競走能力の高さと、スピード、スタミナを兼ね備えた血統を受け継いでいると言えるでしょう。

血統背景と将来性

サロミナの父ロミタスは、2001年のオイロパ賞、バーデン大賞、ベルリン銀行大賞を制した名馬です。種牡馬としても成功し、デインドリームやシルヴァノといった活躍馬を輩出しています。母ザルデンティゲリンは、ドイツのG3競走であるバーデンヴュルテンベルクトロフィーを制し、G1オイロパ賞では2着に入るなど、優れた競走能力を持っていました。母系は「ドイツのSライン」と呼ばれる名牝系に属し、その血統背景もサロミナの活躍に大きく貢献していると言えるでしょう。

サロミナ自身、競走馬としてだけでなく、繁殖牝馬としても大きな成功を収めました。その優れた繁殖能力は、日本の競馬界に大きな影響を与え、今後も多くの活躍馬を輩出する可能性を秘めていると言えるでしょう。サロミナの血統は、日本の競馬界において、今後ますます注目を集めるものとなるでしょう。

サロミナの生涯は、競走馬としての輝かしい成績と、繁殖牝馬としての卓越した能力を兼ね備えた、まさに伝説的名馬の一生と言えるのではないでしょうか。今後の活躍にも期待が高まります。

もう一度検索