サンショウウオ科

サンショウウオ科（Hynobiidae）とは

サンショウウオ科は、両生綱有尾目に属する科で、ユーラシア大陸に広く分布しています。特に東アジア地域（中国、日本、台湾、朝鮮半島）に多くの種が生息しており、その多様性が特徴です。

分布

サンショウウオ科は、アフガニスタン、イラン、カザフスタン、韓国、中国、北朝鮮、トルクメニスタン（絶滅の可能性あり）、日本、ロシア、台湾など、広範囲に分布しています。しかし、そのほとんどの種は東アジアに集中しており、ユーラシア固有の科と言えます。

形態

サンショウウオ科の最大種はロンドンサンショウウオで、全長は15.5〜26.5センチメートルに達します。一般的に、尾は長く、目には瞼があります。ただし、水生種の中には瞼が発達しないものもいます。前肢の指は4本、後肢の趾は4〜5本です。また、涙骨を持ち、肺は小型です。ハコネサンショウウオ属には肺がなく、セイホウサンショウウオ属では退化的になっています。

分類

サンショウウオ科の化石は、ドイツの暁新世、ハンガリーの中新世、ルーマニアの鮮新世の地層から発見されています。現生の有尾目の中では、ムカシサンショウウオのみが鼻骨の間に骨（間鼻骨）を持つため、かつてはムカシサンショウウオ亜科として独立させる説もありました。しかし、ムカシサンショウウオとされる個体のミトコンドリアDNAの分子系統解析の結果、ニセサンショウウオ属に含める説が有力となっています。2012年には、ハコネサンショウウオ属のみでOnychodactylinae亜科を構成する説が提唱されています。

以下に、主な亜科と属、そして代表的な種を記載します。

サンショウウオ亜科 (Hynobiinae)
アフガニスタンサンショウウオ属 (Afganodon)：アフガニスタンサンショウウオ
タカネサンショウウオ属 (Batrachuperus)：ロンドンサンショウウオ、タカネサンショウウオなど
サンショウウオ属 (Hynobius)：アベサンショウウオ、カスミサンショウウオ、クロサンショウウオなど、多数の種を含む
イランサンショウウオ属 (Iranodon)：ゴルガンサンショウウオ、ペルシアサンショウウオ
リュウサンショウウオ属 (Liua)：リュウサンショウウオ、チンリンサンショウウオ
フトサンショウウオ属 (Pachyhynobius)：フトサンショウウオ
ニセサンショウウオ属 (Pseudohynobius)：キハンニセサンショウウオ、ムカシサンショウウオなど
セイホウサンショウウオ属 (Ranodon)：セイホウサンショウウオ
キタサンショウウオ属 (Salamandrella)：キタサンショウウオ、エンカイシュウキタサンショウウオ
ハコネサンショウウオ亜科 (Onychodactylinae)
ハコネサンショウウオ属 (Onychodactylus)：ハコネサンショウウオ、タダミハコネサンショウウオ、キタオウシュウサンショウウオなど

生態

サンショウウオ科の種は、陸生または水生であり、幼生は水中で生活します。繁殖様式は卵生で、体外受精を行います。

人間との関係

サンショウウオ科の種は、食用や薬用とされることもあります。しかし、開発による生息地の破壊、土砂の流出やごみによる水質汚濁、漁業による混獲などにより、多くの種が生息数を減らしています。サンショウウオ科の保全は、生物多様性を守る上で非常に重要です。

画像

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出典

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関連項目

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