サンティマミニェ洞窟

サンティマミニェ洞窟は、スペインのバスク自治州ビスカヤ県コルテスに位置する洞窟であり、バスク地方において最も重要な遺跡の一つとして知られています。

地理と歴史

洞窟は、ビスカヤ県の北東部、ゲルニカの南南西5kmに位置し、ウルダイバイ河口の右岸、サン・ミゲルの丘にあります。標高は448mで、その立地条件の良さから、ネアンデルタール人やホモ・サピエンスが継続的に居住していました。洞窟からは、中期旧石器時代から鉄器時代に至るまでの様々な時代の遺構が発見されており、特に後期旧石器時代のマドレーヌ文化期の洞窟壁画でその名を知られています。

洞窟壁画

1916年に発見された洞窟壁画は、1917年から発掘調査が開始されました。壁画には、19頭のウシ、5頭のウマ、シカ、イノシシ、ヤギ、クマなどの大型動物が描かれており、一部は彩色されています。これらの絵は、40cm四方程度のものが多く、最大のものでも長辺が72cmのウシです。特に、ウマとクマの絵は珍しい題材として注目されています。

世界遺産

1985年には、近隣のアストゥリアス州にあるアルタミラ洞窟がユネスコの世界遺産に登録されていましたが、2008年にはサンティマミニェ洞窟を含む17か所の洞窟が追加され、「アルタミラ洞窟と北スペインの旧石器時代の洞窟画」として名称が修正されました。これにより、サンティマミニェ洞窟の重要性が世界的に認められることとなりました。

各時代の文化

洞窟からは以下の文化期の遺構が確認されています。

中期旧石器時代
ムスティエ文化（30万年前 - 3万年前）
後期旧石器時代
シャテルペロン文化（3万5千年前 - 2万9千年前）
オーリニャック文化（3万2千年前 - 2万6千年前）
グラヴェット文化（2万8千年前 - 2万2千年前）
ソリュートレ文化（2万1千年前 - 1万7千年前）
マドレーヌ文化（1万8千年前 - 1万1千年前）
中石器時代
アジール文化（1万500年前 - 9千年前）
新石器時代（8500年前頃 - 3000年前頃）
青銅器時代（3500年前頃 - 1500年前頃）
鉄器時代


サンティマミニェ洞窟は、これらの文化期の変遷を示す貴重な証拠を提供しており、古代の人々の生活や文化を理解する上で重要な役割を果たしています。

外部リンク

サンティマミニェ洞窟 Bizkaia.net
Estudio de control y seguimiento medioambiental de SantimamiñeBizkaia.net
サンティマミニェ洞窟 Euskadi.net
* サンティマミニェ洞窟 Euskalnet

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