サンバ (アルゼンチン)

サンバ（Zamba）とは

サンバは、アルゼンチン北西部に伝わる、6/8拍子の優雅な民俗舞曲です。男女のペアがハンカチを振りながら踊る姿が特徴的で、その美しい旋律と情熱的なリズムは、アルゼンチンの人々の心を捉えてきました。

起源と特徴

サンバの起源は、ペルーのサマクエカ（現在のマリネラ）に遡ると言われています。ボリビアやチリのクエッカとも共通のルーツを持ち、これらの音楽と密接な関係があります。ブラジルのサンバとは語源的なつながりがあるかもしれませんが、音楽的には全く異なるものです。

サンバの楽曲構成は、通常、前奏、テーマ、テーマ、サビという構成を1単位として、それが2回繰り返されます。アルゼンチンのフォルクローレ音楽の中でも、チャカレーラと並んで非常に人気があり、広く親しまれています。

使用される楽器

サンバの演奏には、様々な楽器が用いられます。基本となるのはギター（クラシックギター）とボンボで、これに加えて、ピアノ、アコーディオン、バンドネオン、ハーモニカ、バイオリン、マンドリン、フルート、ケーナ、シンセサイザーなどが使用されることもあります。これらの楽器が織りなす豊かな音色が、サンバの魅力を一層引き立てています。

代表的な演奏家と楽曲

アタウアルパ・ユパンキ、チャンゴ・ロドリゲス、ホルヘ・カフルーネなど、ギターの弾き語りでサンバを表現する演奏家が多く、その歌声とギターの音色には深い魅力があります。

サンバの代表的な曲としては、以下のようなものがあります。

希望のサンバ（Zamba de mi esperanza）（Luis H. Morales）：アルゼンチンでは「第2の国歌」とも呼ばれています。
トゥクマンの月（Luna tucumana）（アタウアルパ・ユパンキ）：ユパンキの代表作の一つで、美しいメロディーが印象的です。
月に魅せられて（mi luna cautiva）（チャンゴ・ロドリゲス）：ソレダーによるカバーがアルゼンチンで大ヒットしました。
クリオジータ・サンティアゲーニャ（Criollita santiagueña）（アタウアルパ・ユパンキ）
アルフォンシーナと海（Alfonsina y el mar）（曲：アリエル・ラミレス、詞：フェリックス・ルナ）
悲しみのサンバ（Tristecita）（曲：アリエル・ラミレス、詞：フェリックス・ルナ）
カーニバルの香り（Perfume de carnaval）（ペテコ・カラバハル）

これらの楽曲は、サンバの多様な魅力を伝えてくれます。

関連事項

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