サンパギータ

概要

『サンパギータ』は、1998年10月15日にソニー・コンピュータエンタテインメントからPlayStation向けに発売されたアドベンチャーゲームです。本作は「やるドラ」シリーズの第3作目に位置付けられ、企画・原作・アニメーション制作を手掛けたのはProduction I.Gです。このゲームは秋の季節を背景にし、象徴する花としてマツリカが使用されています。また、サスペンス要素が強いストーリーが特長です。さらに、本作はシリーズで初めて主人公に声が付与された作品です。

仮タイトルは『フォーシーズンズメモリー 秋 -ダヒル・サ・ヨ- あなたのために』でしたが、最終的に『サンパギータ』という題名で発売されました。なお、初期のやるドラシリーズの中で、本作のみがPlayStation Portable（PSP）オンラインで配信されていません。

ストーリー

物語は秋。主人公は合コン帰りに終電を逃し、雨に濡れた状態で帰宅します。路地裏で一人うずくまっている少女、マリアに出会い、彼女を自宅に招きます。マリアは記憶を失っており、主人公は彼女の事情を探ろうとするものの、身元が分からない状態です。彼女のハンドバッグには、現金が大量に入っている上、本物の拳銃まで隠されていました。主人公は不安を感じながらも行く当てもないマリアと一緒に生活することになります。

登場人物

• - 主人公（声: 松本保典）

牛丼屋でアルバイトをする大学生。マリアを路地裏から保護し、共同生活を送ることに。

• - マリア・サントス（声: 林原めぐみ）

本作のヒロイン。フィリピン・マニラのトンドスラム出身で、日本に来たが記憶を失った。普段は明るいが、たまに陰りを見せる。

• - ボーイ（声: 大塚明夫）

マリアの兄のような存在。彼女に強い愛情を持ち、初めは主人公に敵対的だが、次第に彼を兄弟として認めるように。

• - 水島 英男（声: 中田和宏）

主人公の義兄であり新聞記者。マニラに5年間滞在しており、主人公の相談相手。

• - ランディ・サンチャゴ（声: 塩屋浩三）

フィリピン料理店の店主で、人情に厚い。しかし、少々おせっかいな面も。

• - 馬場 健一郎（声: 高宮俊介）

珈琲専門店のマスターで、主人公の大学の先輩。フィリピンに詳しい。

• - 佐藤 ヒカル（声: 鈴木琢磨）

自己中心的な主人公のクラスメート。

エンディング

• - Good End
• - Normal End
• - Bad End

主題歌

エンディングテーマは「Hold On」で、作詞は新井明子、作曲は青木秀一、歌はマリーンが担当しています。

移植版

PlayStation Portable版では、ワイドスクリーンに対応し、高解像度フォントやリプレイ機能が追加され、CGギャラリーも拡充されています。

評価

発売当初、PS版は年間139,234本を売り上げ、1998年の年間ランキングで93位に入りました。また、ゲームの評価は分かれています。『週刊ファミ通』では30点、さらには『電撃PlayStation』は305点、ストーリーの改善やエンディングに関する意見が様々な形で寄せられ、評価が分かれています。ストーリーやキャラクターデザインに肯定的な意見が多い一方、ゲームシステムや難易度については批判的な意見も多く見られます。

『サンパギータ』は、そのサスペンスフルなストーリーと独自のキャラクターたちがプレイヤーを引き込む作品です。

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