サン・フランチェスコ教会 (コッレッジョ)

サン・フランチェスコ教会は、イタリアのエミリア＝ロマーニャ州、レッジョ・エミリア県コッレッジョの中心部に位置する、カトリック教会です。

歴史

教会の起源は1322年頃に設立されたフランシスコ会の修道院に遡ります。考古学的調査により、この修道院には少なくとも14世紀後半には建物が存在していたことが確認されています。教会は、15世紀後半、コッレッジョの領主マンフレド2世とその妻アグネーゼ・ピオの支援を受けて1463年から1490年にかけて再建されました。その後16世紀にかけて修道院は拡張され、回廊や寮が増築されました。17世紀には、建築家フランチェスコ・チプリアーノ・フォルティによって修道院が改修されました。さらに、19世紀には、彼の孫であるフランチェスコ・フォルティによって修道院の改修作業が続けられました。20世紀には1926年に修復が行われましたが、1996年の地震で教会と鐘楼が大きな被害を受けました。その後、大規模な修復が行われています。現在では、動かせる芸術作品はほとんど残っていません。

建築

内部は、レンガ造りの柱と付柱が並び、側廊と中央の身廊を分けています。ヴォールトは、ゴシック建築の特徴であるリブ構造を持っています。これらの建築的特徴は、教会の歴史と構造的な変遷を物語っています。

コレッジョの作品

サン・フランチェスコ教会は、かつてルネサンス期の画家コレッジョの重要な作品を所蔵していました。特に有名なのは、『聖フランチェスコの聖母』（1514年-1515年）で、これは主祭壇画として飾られていました。もう一つの作品『聖フランチェスコのいるエジプトへの逃避途上の休息』（1520年）もまた、この教会に所蔵されていました。しかし、1636年にモデナおよびレッジョ公フランチェスコ1世・デステによって、これらの作品は教会から取り除かれ、彼のコレクションに加えられました。

現在、『聖フランチェスコの聖母』はドイツのドレスデンにあるアルテ・マイスター絵画館に所蔵され、『聖フランチェスコのいるエジプトへの逃避途上の休息』はイタリアのフィレンツェにあるウフィツィ美術館に所蔵されています。興味深いことに、コレッジョ自身も1534年にこの教会に埋葬されました。これは、彼がこの教会と深い繋がりを持っていた証です。

現在

サン・フランチェスコ教会は、過去の変遷を経て、現在もその歴史的な姿を伝えています。かつての壮麗な装飾やコレッジョの傑作は失われましたが、教会自体は建築物としての価値を持ち続け、コッレッジョの歴史の一部として存在しています。地震による被害からの修復を経て、今もなお静かに人々にその歴史を語りかけています。

ギャラリー

かつてサン・フランチェスコ教会には、以下のコレッジョ作品がありました。

『聖フランチェスコの聖母』
『聖フランチェスコのいるエジプトへの逃避途上の休息』

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