サン＝ルイ島

サン＝ルイ島：パリの心臓部に浮かぶ歴史と文化の島

セーヌ川の流れに抱かれたサン＝ルイ島は、パリ4区に位置する、シテ島と並ぶパリ発祥の地として知られる中州です。ノートルダム大聖堂のあるシテ島の東側に位置し、古くからその美しい景観と静謐な雰囲気から、貴族や著名人が邸宅を構える高級住宅街として栄えてきました。

サン＝ルイ島という島名は、聖王ルイに由来します。しかし、聖王ルイが建設に関わったサント・シャペルは、サン＝ルイ島ではなく下流のシテ島にあります。フランス革命期には、「友愛島」と改称された時期もありました。

壮麗なバロック建築と歴史的建造物

サン＝ルイ島には、ヴェルサイユ宮殿の建設にも携わったバロック建築の巨匠ルイ・ル・ヴォーが設計した建築物が数多く残されています。その代表的な建造物として、サン＝ルイ＝アン＝リル教会、ロザン邸、ル・ヴォー邸、ランベール邸、ブルトンヴィリエの離れ、シュニゾ邸などが挙げられます。これらの建築物は、パリの歴史と芸術を象徴する貴重な遺産であり、観光客を魅了しています。

また、パリで有名なアイスクリーム店ベルティヨンもサン＝ルイ島に店を構え、島を訪れる人々に甘いひとときを提供しています。

サン＝ルイ島へのアクセス

サン＝ルイ島へは、以下の5本の橋が通じています。

サン＝ルイ橋
トゥルネル橋
ルイ・フィリップ橋
マリー橋
* シュリー橋

これらの橋を渡ると、そこは静かで優雅なサン＝ルイ島の街並みが広がります。

多くの著名人を魅了した島

サン＝ルイ島は、数多くの芸術家、文化人、政治家などに愛されてきました。画家ポール・セザンヌ、詩人シャルル・ボードレール、彫刻家カミーユ・クローデルといった著名な芸術家たちが、この島で創作活動を行い、生活を送っていました。

また、政治家としては、レオン・ブルム元首相、ジョルジュ・ポンピドゥ元大統領などがサン＝ルイ島に邸宅を構えていました。さらに、実業家ヘレナ・ルビンスタイン、国民的喜劇王ルイ・ド・フュネスなども島にゆかりがあります。

作家クロード・モーリアック、マルト・ビベスコ、イギリスの詩人で反差別政治運動家でもあったナンシー・キュナードもこの島に暮らしていました。さらに、科学者であるマリ・キュリー、ルネ・ゲノン、地質学者アルーン・タジェフ、歌手ジョルジュ・ムスタキなどもサン＝ルイ島に住んでいました。

日本の女優岸恵子さんも、サン＝ルイ島に居住していることで知られています。

ランベール館：貴族と富豪が集う邸宅

サン＝ルイ島の中でも特に有名なのがランベール館です。この邸宅には、歴史上多くの貴族や富豪が居住してきました。

ポーランド貴族のチャルトリスキ公爵、チリの実業家アルトゥロ・ロペス・ウィルショー、オーストリア＝ハンガリー帝国出身の銀行家アレキシス・ド・レデ、そしてソーシャライトのモナ・フォン・ビスマルクなどが、ランベール館に住んでいました。女優ミシェル・モルガンもランベール館の一室に住んでいました。

さらに、パリ・ロチルド家の当主ギー・ド・ロチルドもランベール館を購入し、その後カタール王族アブドッラー・ビン・ハリーファ・アール＝サーニーに売却されました。

サン＝ルイ島：パリの歴史と文化を体感できる場所

サン＝ルイ島は、単なる住宅街ではなく、パリの歴史と文化を凝縮した、独特の雰囲気を持つ場所です。美しい建築、静かな街並み、そして数多くの著名人ゆかりの歴史は、訪れる人々を魅了し続けています。パリを訪れた際は、ぜひサン＝ルイ島を訪れて、その魅力を体感してみてください。

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