サーティース・TS7

サーティース・TS7：1970-1971年のF1を駆け抜けたマシン

サーティース・TS7は、1970年と1971年のF1世界選手権で活躍したフォーミュラ1カーです。ジョン・サーティース、シャハブ・アーメド、そしてピーター・コンニューという才能あるエンジニアリングチームによって設計されました。ジョン・サーティースがBRMを離脱した後、自ら設立したチーム「チーム・サーティース」の主力マシンとして、その名を歴史に刻むことになります。

1970年シーズン：デビューと苦闘、そして希望の光

チーム・サーティースは、TS7完成までの繋ぎとしてマクラーレン・M7Cを使用していました。TS7のデビュー戦は1970年イギリスグランプリ。サーティース自身の手でステアリングを握り、予選19位からスタートしました。しかし、レース序盤で油圧トラブルに見舞われ、リタイアという悔しい結果に終わります。続くドイツグランプリでは予選15位、決勝ではエンジントラブルに見舞われながらも9位完走という結果を残しました。オーストリア、イタリアグランプリではエンジントラブルによりリタイア。カナダグランプリでは5位入賞を果たし、チームに光明をもたらしました。アメリカグランプリではデレック・ベルがセカンドドライバーとして参戦。サーティースがエンジンブローでリタイアする一方、ベルは6位で完走。メキシコグランプリでは再び1台体制に戻り、8位でフィニッシュしました。この年のチーム・サーティースは、コンストラクターズチャンピオンシップで8位という結果に終わりました。しかし、TS7の可能性を示唆する結果でもありました。

1971年シーズン：TS9への移行と、TS7の遺産

1971年シーズン、チーム・サーティースは新型マシンTS9を導入。サーティース自身はTS9に乗り換え、ブライアン・レッドマンとロルフ・シュトメレンがTS7を駆ることになります。南アフリカグランプリでは、シュトメレンが12位、レッドマンが7位という結果に終わります。その後、チームは全車TS9に切り替え、TS7はF1の舞台から姿を消しました。この年、チーム・サーティースはコンストラクターズチャンピオンシップで8位を獲得、前年と同じ順位となりました。しかし、TS7はチームの成長に貢献した重要なマシンであったことは間違いありません。

スティヒティング・オートレーシズ・ネーダーラント：オランダでの戦い

チーム・サーティースからTS7を購入したスティヒティング・オートレーシズ・ネーダーラントは、1971年オランダグランプリに地元ドライバーのジィズ・ヴァン・レネップを起用して参戦しました。予選21位からスタートしたヴァン・レネップは見事8位でフィニッシュし、TS7のポテンシャルを改めて証明しました。

まとめ

サーティース・TS7は、決して圧倒的な成績を残したマシンではありませんでした。しかし、チーム・サーティースの礎を築き、F1という舞台で戦い抜いた勇敢なマシンでした。その短い活躍期間は、F1の歴史において重要な一ページを刻んでいます。TS7の戦績は、マシンの性能だけでなく、ドライバーの技量、そしてチームの努力が凝縮された結果と言えるでしょう。その遺産は、後のサーティースの活躍へと繋がる重要なステップとなりました。

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