サーフズ・アップ (アルバム)

サーフズ・アップ (Surf's Up)

『サーフズ・アップ』は、ザ・ビーチ・ボーイズが1971年にリリースしたアルバムです。タイトルは、かつて幻のアルバム『スマイル』の中核となるはずだった楽曲「サーフズ・アップ」から取られました。

概要

1970年秋、『サンフラワー』の商業的失敗後、バンドはマネージャーとしてジャック・ライリーを迎えました。ライリーの最初の仕事は、ビーチ・ボーイズの音楽に政治的・環境的な視点を取り入れ、社会的な注目を集めることでした。ウィスキー・ア・ゴーゴーでの「カムバック」コンサートが成功を収めた後、バンドは新たなアルバム制作に取り掛かります。

当初、アルバムは『ランドロックド』というタイトルで、収録曲も異なっていました。しかし、ライリーは伝説となっていた「サーフズ・アップ」の収録を強く主張。メンバーもこれに同意し、カール・ウィルソンがボーカルを務める形で完成しました。作曲者であるブライアン・ウィルソンは、『スマイル』の崩壊によるトラウマから、「サーフズ・アップ」の収録に難色を示しましたが、彼の訴えは受け入れられませんでした。

前作『サンフラワー』でソングライターとしての才能を開花させたデニス・ウィルソンは、映画出演のため本作にはほとんど参加せず、楽曲の提供もありませんでした。しかし、カール・ウィルソンやアル・ジャーディンが、メッセージ性の強いオリジナル曲を提供。カールは演奏面でも才能を発揮し、マルチ・プレイヤーとしての存在感を示しました。カールの楽曲「フィール・フロウズ」で聴けるフルートは、ジャズ・ミュージシャンのチャールズ・ロイドによる演奏です。この曲は後に映画『あの頃ペニー・レインと』のエンドロールで使用され、サウンドトラックにも収録されました。また、ブルース・ジョンストンは、多くのアーティストにカバーされた名曲「ディズニー・ガールズ (1957)」を提供しています。

ブライアン・ウィルソンは、ジャック・ライリーにリード・ボーカルを任せ、ヴァン・ダイク・パークスをボーカルで参加させた「ア・デイ・イン・ザ・ライフ・オブ・ア・ツリー」と、自身の厭世観を表現した「ティル・アイ・ダイ」を提供し、ビーチ・ボーイズの新たな一面を提示しました。

アルバムは当時の世相にも受け入れられ、『ビルボード』誌のアルバム・チャートで最高29位を記録しました。

収録曲

Side 1

1. ドント・ゴー・ニア・ザ・ウォーター - Don't Go Near the Water
2. ロング・プロミスト・ロード - Long Promised Road
3. テイク・ア・ロード・オフ・ユア・フィート - Take a Load Off Your Feet
4. ディズニー・ガールズ (1957) - Disney Girls (1957)
5. スチューデント・デモンストレーション・タイム - Student Demonstration Time

Side 2

1. フィール・フロウズ - Feel Flows
2. ルッキン・アット・トゥモロー（ア・ウェルフェア・ソング） - Looking at Tomorrow (A Welfare Song)
3. ア・デイ・イン・ザ・ライフ・オブ・ア・トゥリー - A Day in the Life of a Tree
4. ティル・アイ・ダイ - Til I Die
5. サーフズ・アップ - Surf's Up

外部リンク

* Surf's Up lyrics

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